2021年夏、穂の国とよはし芸術劇場PLAT にて
「立川志の輔独演会」
休憩挟んで第2部
ここからは、立川志の輔さん、立川志の春さん、二人並んでの、地方では珍しい、
「口上」
立川志の輔さんが語る
1列目こそ空いているもののフル満席の光景を久しぶりに見た…とてもいい光景であることを話の切り口に
志の春さんの紹介へと…
立川志の輔さんの3番弟子
2020年4月の昇進後に緊急事態宣言、披露公演とパーティーは中止、延期となってしまってと
もともとは、三井物産の商社マンであったと…なんでも志の輔さんの落語を聞いて、仕事を辞めてこの世界に入ったんだとか
英語が堪能ということで、彼が英語で語る落語で外国人が笑うとか…でも、その分日本語は堪能ではないと笑わせ
彼と海外公演に行くと、ちと不愉快だと…
彼は、元職場の方々にとてもかわいがられている…そういうタイプの人間なんだろうなと
英語であれだけの落語ができるのは、こいつだけ
先程、マクラで英語では落語はできないと申し上げたが、それを崩すことができるのは、この男だけだと
ここで、英語を喋ろうとするも、ちょいと躓く立川志の輔さん
「私は彼より日本語が堪能な分だけ、英語が苦手である」と笑わせる…
でも彼は、我々のできないことをやってくれるだろうと
さて、本来は口上が終わった後、彼が一席やることが通常であるけれど、それが披露公演であるなら、間違いなくそうだけど、今回は私の独演会であるので、でもその中で、豊橋のみなさんにもみてもらおうと、落語を先にし、口上を後にもってきたと…その理由を語りながら
今回、3番弟子の披露ということで、彼の挨拶で口上を締めくくりたいと思うと…
立川志の輔さん、立川志の春さんをせかすみたいに
「それでは、なんか言ってみてください…」笑
それをうけて立川志の春さん
先ほどの落語での温かい拍手を感謝しつつ…
豊橋は思い出のある場所だと…母方の実家が浜松と言うことで、小さい頃ここを通って、豊橋を過ぎると両親に起こされるといった思い出があるけれども
今回新たな思い出ができましたと…
ここで三本締めで口上を〆め
続いては、長唄、三味線の
松永鉄六さん…といっても女性の方
出囃子で演奏するには、この公演で3回目になるとのこと
先ほどの立川志の春さんは大阪生まれの浜松育ち…でも私は、大阪生まれで、両親は愛知県出身、父は蒲郡、母はここ、豊橋市下地町出身だと盛り上げる!
故郷ともいえる豊橋でこのように三味線が弾けることがありがたいと、おばあちゃん見てろって気持ちだと…笑
先ほど、立川志の輔師匠の「ちりとてちん」に大爆笑してたけど、この「ちりとてちん」は三味線の音だと…そのさわりを実際に演奏してみせる…
ここまではご挨拶で、演奏は時間がおしていたせいか、長唄を1曲だけ
爽やかさを感じる長唄の1曲でした
続いてはオオトリ
立川志の輔さん
ここからは、演目「ねずみ」のネタバレになってしまうので、志の輔さんの落語をまっさらな気持ちで味わいたい方は、ここでお別れを
また、明日、お会いいましょう
これで豊橋は9年目、こうしてコロナ禍でも行えた会館の関係者、及び集まってくれたお客さんに感謝しつつ実に感慨深いと…一言、言葉にして
演目「ねずみ」
ある旅人が、まだ年も若い少年に客引きをされて少年の言うままに宿屋に泊まることに…
「寝る時に布団は必要ですか?」と少年は旅人に問いかけ、当然だとばかりにうなずく旅人に「だったら先に二十文ください」と少年…
何か訳がありそうだと思いお金を渡すと、布団屋に行くので先に宿に行ってて欲しいと言われ一人先に宿に向かう…
その宿屋は「鼠屋」といい、一見、宿とは思えないほどの小さな宿屋…
その向かいにはそれは立派な宿屋「虎屋」がある…
さて、旅人の足を洗う「洗水」の用意すらも、父親が腰が立たなくて準備できないから…裏の小川で足を洗ってきて欲しいと…
言われるまま、小川で足を洗い宿へ戻ると…
少年が言う
これから食事の支度をすると遅くなってしまうので、鮨を六人前ほど注文しましょうかと旅人に…そんなに食える訳がないと返すと、私もお腹が空いてるし、父親も鮨が好きだからと…
旅人は、苛立ったりもせず、少年にお金を渡して、鮨を六人前とそれに見合った酒を買ってくるようにと
旅人が聴いた話では、この「鼠屋」の主人は、元々は向かいにある「虎屋」の主人だったが、5年前に妻に先立たれ、その後、女中頭を後妻として迎えたものの腰を悪くした主人とその子に辛く当たり、番頭とつるんで「虎屋」を乗っ取ってしまったという…後妻と番頭との関係はできていて、店を乗っ取ったのは後妻の計画通り
追い出された宇兵衛は、それでも息子がお客を連れてくるので、この物置小屋を仕立ててなんとか宿をこしらえ、その物置に棲んでいたネズミにちなんで現在の「鼠屋」を構えたとの話
これを聞いた旅人は自らが名匠と知られる左甚五郎であると名乗り…木片から鼠を一晩かけて彫り出すと、その鼠をたらいに入れて網をかけ
「飛騨高山甚五郎作 福鼠 この鼠をご覧の方は是非、鼠屋にお泊りを」と看板に書き甚五郎は、この宿を去っていった…
この看板を見た見物客が手に取ると、この福鼠がチョロチョロと動き出すので、これが評判を呼び「鼠屋」は大繁盛…
やがて「鼠屋」に泊まればご利益があるという噂も立ち、またたく間に「鼠屋」は「虎屋」に劣らぬほどの店構えとなる…
ここで立川志の輔さん、唐突に
「ここで問題です」とクイズが…
「鼠屋」が繁盛して困るのは誰でしょう? このフィリップにお書きください
「そう、向かいの虎屋です」…
と言葉にすれば、「虎屋」の夫婦げんかに移り、サゲまで一気にたたみ込む感じで
「虎屋」の主人は大金を使い、彫物師「飯田丹下」に虎を彫ってもらうと、「鼠屋」の鼠を見据えるように虎を飾った…
すると「鼠屋」の鼠はぴたっと動かなくなってしまったのです…
困った「鼠屋」の主人と少年は左甚五郎に手紙を書くことに
それを読んだ左甚五郎は、再度「鼠屋」に向かい
副鼠に、なぜあんな出来損ないの虎に怯えるのかと尋ねた。すると、鼠は答えた。
「あれ、虎だったの?猫かと思ってた」
いやあ、ストーリーが目に浮かぶようで、左甚五郎のさまも目に浮かぶよう…さらには動く福鼠を観て驚愕し、大喜びする宿泊客の描写、演技もリアルで…
〆は立川志の輔さん、このコロナ禍の中、お越しいただいたことに感謝しつつ、満員のお客さんが嬉しくて、予定時間を大幅に延長したことをお詫びしながら、立川志の輔さんの独演会は終了
「志の輔ワールド」に惹きこまれ…惹きこまれ…
もうこの感動は
一言で言うと…落語を超えてる!!
凄いの!
凄いの!!
もう…あたかも
良質のコメディー映画や…演劇を観たかのような…
そんな満足感!!
これで免疫力は間違いなくアップ…免疫力向上!免疫力向上!免疫力向上!
新型コロナウイルス感染症なんて、怖くないぞ!!
よーし、これからも、マスクするぞ!うがいするぞ!!
…免疫力アップしたからと言って驕ることなく、よく「チュー意」しなくちゃね…はい「ネズミ」だけにね!!