2021年冬…
クリスマス・イブ当日…
日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールで行われた
「大名古屋らくご祭2021」
演者は春風亭昇太さん、柳家喬太郎さん、三遊亭白鳥さん、林家彦いちさんの4名
この4名で昼は古典落語、夜は新作落語の2回公演…
ホントは2回ともききに行きたいところだけど…
このクリスマスイブは、ド平日…
当然、日中は仕事なので、行くことができませんが…
夜の部「新作の夜」に行ってきました
「落語」はオモシロイ…
でも…どの「落語」の噺もオモシロイと言う訳でもなく
同じ「噺」でも、噺家さんによって
オモシロさは全然違ってくるのだけど…
当然、面白くないと
お金を払って観に行ったのに
「師匠」と呼ばれる方でも、気が付けば、魔人「睡魔人」??に襲われて
夢の中に無理無理連れて行かれて
(お金を払っている以上、私は必死に、起きていようと抵抗するものの)
何をしゃべっていたのか記憶にない…
なんてことも、実は何度かあるんだけど
春風亭昇太さん、柳家喬太郎さん、三遊亭白鳥さん、林家彦いちさん
この4人の「噺」は、4人とも…どの噺家さんもめちゃめちゃ面白くって
笑って笑って
ストレス発散には最高なのよ
その時のことをだらだらと
内容は…
ネタバレ…にもなってしまうので
その「噺」を一から聞きたい方は
これから先は…読み進めないように…笑
前半は
三遊亭白鳥さん、柳家喬太郎さん
休憩挟んで
後半は
林家彦いちさん、春風亭昇太さん
今までだと
4組も出演されると1組くらいは
オモシロくない「噺」なんぞ、あるものだけど
この公演は
4組ともめちゃめちゃオモシロかった
笑い過ぎて、笑い過ぎて
今でも印象に残ってる「落語会」でした…
噺に入るまでに
まずは、4人でフリートーク
三遊亭白鳥さん、開口一番、客席に向かって…
「クリスマス・イブ…暇なんですね…」笑
春風亭昇太さんが、すぐさま「本来、行くべき、ところがあったと思うんですけど…」とフォローしながら、「私は仕事です」…笑
基本的には春風亭昇太さんが進行…
まずは、お客さんに感謝の言葉を…で昼は古典落語…素晴らしい古典落語…これぞ正統派という古典落語で、江戸の風の間に…新潟の風が吹くという…で:夜の方は、新作落語…新作落語と言えば、地元、円丈師匠…
と話題が円丈師匠のことになるやいなや
三遊亭白鳥さん「今日、私達が凱旋公演ということで!」…笑
これには他の3名、ポッカ-ン…
意味不明…それを言うなれば「追悼公演」とツッコまれて大爆笑…
円丈チルドレンと呼ばれた4人ですから…今夜は新作落語を…と春風亭昇太さんが言えば
語るのは、直のお弟子さんだった…三遊亭白鳥さん
もともと落語は知らなくて…たまたま古本屋さんで円丈師匠の本を見つけて、落語家になりたいなと思って、TVをみてたら、うちの師匠が「花王名人劇場」に出ていて、どこに住んでるんだろうと思って、近くのメトロポリタンホテルの公衆電話の電話帳を開いたら、うちの師匠の住所が載っていたと…で、行ったら、うちの師匠は、もう弟子をとらないって言われたけど…たまたま新作をかいたものをもっていったら、じゃあ、せっかくだからと弟子にとってもらったと…全然落語の世界のことを知らずにこの世界に入ったと…
メンバーに「今も落語のこと、知らないでしょう…すくすく大きくなって…」とイジラレル三遊亭白鳥さん
春風亭昇太さんも「これだけ知らなくて、これだけ大きくなったのはスゴイ」と褒めているのやら貶しているのやら…
三遊亭白鳥さん「今年で36年目、未だに落語の「かみしもをふる」こと(右、左、顔を向けば人物が変わること)がわからない」と…
客席から「知ってるー」と声がかかれば…三遊亭白鳥さん
「どこで教えてもらったんだよ…」
さらには「未だに分からない…勘でやってるだけ」と
ここで、三遊亭白鳥さんは柳家喬太郎さんに
「喬太郎師匠も、うちの師匠を見て素晴らしいと思ってたんでしょう」と問えば
柳家喬太郎さん「まあ、入らなかったけど…」笑
ここで林家彦いちさん
「せっかく古典落語をやってたのに、みんなが三遊亭白鳥さんのことをハラハラドキドキしてて見てた…」と笑わせる
「おかあさんになったかと思いました…」笑
そんな林家彦いちさんに三遊亭白鳥さんが問いかける
「うちの師匠の1番弟子になろうとしたんでしょう」
ここで、林家彦いちさんが語る
渋谷に「ジャンジャン」というライブハウスがあって、そこに、そもそもは東京乾電池をみにいったそうな…まだ高田純次さんがいた頃、それをみにいって、そこで今月のダイジェストをみたら、三遊亭円丈さんの「実験らくご」とのフレーズがあって、僕は大学時代、落研だったので、ここで落語をやってるんだと思ってみにいったら、それは衝撃的だったと…それまで、新作落語というのは、古典落語の焼き回しが多かった…舞台が長屋の代わりに会社だったり団地だったりと…でも、三遊亭円丈さんの舞台は宇宙、机に手がくっついちゃったりと…演目…タイトルも「白い螺旋階段」とか「悲しみはさいたまに向けて」とか…とにかく衝撃的だったと…たとえば、電車の中の乗客にザリガニがいるとか…それを悲しく描く…夕日に向かってザリガニが去って行く…そのシーンでは、三遊亭円丈さん、懐から生きたザリガニをだしたりして
公演終了後、「僕は感動しました」って、三遊亭円丈さんに言ったら、三遊亭円丈さんは、高座を振り返ってて「ザリガニが夕日に向かってまっすぐ歩かなかったことが失敗だったと…
それを聴いて三遊亭白鳥さんは「師匠についた前座の頃、円丈師匠は新作ばかりやってたから、それが普通だと思っていたと…その頃、川柳川柳師匠も同じように酔っぱらってて…」と思い出を語る
林家彦いちさんが、さらに
もっと衝撃を受けたのが、演目「パパラギ」…上半身を脱いで、南の島の大王になって「パパラギ、島の子たちよ」とお客さんに話しかける…それを、普通の寄席でやってたのは、衝撃的だったと…新宿末廣亭で客席に降りて、裸のまま、ぐるぐる廻っていたと思い出を語る…
春風亭昇太が、とまらないトークのまとめにかかり
「円丈師匠は新作落語というよりも革命家、自由をもたらした…落語史に残るお方であることは間違いない…円丈師匠に憧れて、新作落語をかいてきたので、今日の夜は、新作落語をやっていこうと、でも、今語った円丈師匠の題目とは一切関係なくやりますので…自由ということで…笑…順番はお弟子さんを挟んで…2人やって、中入りがあって、また2人やって」とまとめたところで
オープニングトークは終了…
開口一番は
前座の桂南之助さん
「大名古屋らくご祭」豪華な顔ぶれ…前座の身分とは言え高座に上がれて、とてもうれしく思っていますと…「大名古屋らくご祭」は全部で4日間、7公演、そのすべてに参加しているのは私だけ…
誰が一番ねぎらわれるべきなのか、みなさん心に留めてお付き合いのほどを…と客席を和ませて
演目は「牛ほめ」
いつもぼーっとしている息子の与太郎
鼻を垂らしたまま…鼻をかんでもまたでてくるから噛むのも面倒くさがる与太郎に…父親は頭を抱えている…
鼻を噛むと紙がもったいないというので…だったら、鼻を噛んだ後、紙を川で洗って乾かして、便所で使えばいいんだと父親が返したら
「そう言われて、こないだやったの…でも、順番を間違えちゃって」と与太郎
そんなある日、おじさんである佐兵衛が家を新築したというので、息子におじさんの家へ行って、おじさんの家を褒めにいきなよと誘い掛ける
父親は「私もこないだみてきた…お前も褒めに行ってこい」と
なにも要領が分かっていないので、口上を教えようとする父親
「向こうについたら、こんにちは、ごめんくださいと言って、どうぞと言われたら上がらせてもらう…」
「先日はおとっちゃんがうかがわせてもらってお邪魔様でございます…今日は、家を見に参りました…」といって
家を見渡して、こういうようにと…
「家は桧造りで、天井は薩摩の鶉木目(うずらもく)、なにやら、たてなに左右の壁は砂摺で(すなずり)、畳は備後の五分縁(ごぶべり)でございます、床の間を拝見いたします、けっきうな建物でございます…お庭は総体御影(みかげ)づくりでございます…」
こう言って驚くんだと…
父親の言う通りにリピートしてみるも…
「先日はおとっちゃんがうかがわせてもらってお邪魔様でございます」ですら「先日はおとっちゃんがうかがわせてもらって、お釈迦様でございます…」と間違える始末で
与太郎はこの簡単な褒め口上も覚える事が出来ない…
でも、さらに父親が
あぁそうだ、あとは台所の柱に大きな節穴が空いてるんだが、それを見たらこう言うんだ…
「この上に秋葉様(秋葉神社、防火の神様)のお札を貼ってはいかがでしょう…穴が隠れて火の用心になりますよ」と
これを言ったら小遣いくれるかもしれないと…
「金もらえるの!そりゃいいや!あとは何かない?」
おお喜びで、行く気マンマンになった与太郎
そうだなぁ…牛でも褒めるか…
「この牛は、天角地眼一黒直頭耳小歯違でございます…」
まぁ、簡単に言うと牛に対する最高の誉め言葉だ…これでまた小遣いもらえるだろうな。
「こんなんで小遣いもらえるんだ…簡単だな…」
張り切って口上を覚えようとする与太郎だが全く覚える事が出来ない。
覚えれなかったので、紙に書き留め、その紙を読むことにして…
おじさんの所へ向かい、とりあえず丁寧に挨拶する…
おじさんの家を褒めに来たと…
「この家は総体、檜造りでございます」「上手いこと言ったね…」
しかし、紙に書いたはずなのに…
「天井は薩摩芋のウズラ豆…」「なんだ、それは?」
「佐兵衛のかかぁはひきずりで、畳は貧乏でボロボロです」
「床の間を拝見させていただくと、なにやら化け物が…けっこうな化け物でございます」
「庭は総体見かけ倒しでございます」
もう口上はボロボロ…
「おじさん、台所をみせてよ!それが楽しみできたんだから…」
広い台所あったあった節穴が…「おじさん、この穴が気になるか」「お前にも分かるか…何とかならないかな、この節穴」
「おじさん、この穴は心配いらないよ…秋葉様の火伏せの御札を張ってご覧なさい、穴が隠れて火の用心になりますよ」「なるほど…それは気がつかなかった…ありがとう」
「驚いているの??」「そりゃあ、驚いているさ」
だったら、驚くだけでなく、早く出すものだせよ!と小遣いをせびる与太郎…
計算通り…と喜ぶ与太郎
「おじさん、今度は牛も褒めるよ」と
牛のお尻をみて、お尻の穴が気になった与太郎
「おじさん、あの穴を気にするか?」「気にしてないよ」
「おじさん、この牛の穴について心配することはないよ」「心配なんかしてないよ」、
「秋葉様の御札を張ってごらん」「バチがあたるよ」
「いや穴が隠れて屁の用心になります」
ちなみに…お弟子さんは、完全無欠の…古典落語…笑…でございました…
続いて、まず先陣をきって登場するのは
三遊亭白鳥さん
何をやろうか、特に決めていなくて…オープニングでうちの師匠のことが話題になって、この落語会が終わると、おそらく来年1年、名古屋にくることはないだろうから、東京ではなんどもやっているけど、今日はうちの師匠の出身地でもあるので、この演目をやってみたいなと
人というのはどういう生き方をするのか、いつ死ぬのかわからない…わかっていることは、人というのは絶対死ぬということ…いつ死ぬかわからないから…人生はおかしなことがおきると
演目「黄昏のライバル~師匠円丈編~」
これ落語なのか??と思えるほど…もう「円丈師匠の新作落語」の域を明らかに超えていて…
ここまでいじって大丈夫なのかなとも思える噺で…なんか不謹慎さも感じながら…もう大爆笑でした…
おかみさんのところに駆け寄るのは
円丈師匠の最後の弟子「キュウゾウ」
円丈師匠の容態がよくないと聞いて駆けつける…
おかみさんが言うには「ずっと床に臥せっているのだが、どこが悪いのかわからない…寝言で落語なんかやりたくない、高座なんか上がりたくないって言ってる…歳なのかね?」
「キュウゾウ」は「今、うちの師匠は70代半ば、今は80歳過ぎても高座に上がっている人がいっぱいいるから、一番油がのっているとき」と返したので、おかみさんに起こしておくれよと頼まれる
床に行けば、臥せている円丈師匠…
「キュウゾウ」をみると
「もう落語なんてやりたくねえ、高座に上がりたくねえ…死神が俺を迎えに来る」とずっと言ってる始末
そこで「キュウゾウ」は…円丈師匠は「昭和の名人」と呼ばれた人…古典落語をやれば、思い出して落語をやりたくなるかもしれないと思って
ここは「キュウゾウ」…
「ちょいとお前さん、大晦日だよ、おきなよ」「昨日の酒が抜けないんだよ…わかったよ!おきればいいんだろう…」
と「芝浜」のくだりを…
「このやろう!なんで「芝浜」でおこすんだ!」と円丈師匠
起きた円丈師匠に向かって
なんで落語をやりたくないなんて言っているのか、新作落語の祖と呼ばれて、後、数年後には「人間国宝」になるだろう落語界の天才の三遊亭円丈師匠ですよ…
といえば…「なんだ、この静まりは…静まり返って…」と言葉にする円丈師匠
「そりゃあ、死んだばかりの師匠をマクラならまだしもネタにしてるんですから」と笑わせる…
円丈師匠は、まさに、それが「円丈魂」だと言い張る!!
「常識を破って死んでも何でもネタにする…そして、古典落語は敵だ!!…笑えるなら俺を使え…笑えるならすべてを差し出す…」と言いながら
「古典落語は敵だ!!」との言葉を繰り返す円丈師匠
「キュウゾウ」は、4年前に円丈師匠が古典落語「文七元結」をやるのをみましたが…と返すと
「俺は常に変わるんだ…それが「円丈魂」だと…さらに「俺の最後の敵が、俺の永遠のライバル、柳家小さんだ…」
とさらに語りだす…円丈師匠
「柳家小さん、あいつは人間国宝だ…小さん師匠は心に染み入るような人情噺をする…小さん師匠はスゴイ…小言念仏が…」というので、思わず大爆笑
…古今亭志ん朝、立川談志、俺と競い合うライバルはみんないなくなっちゃった…ライバルがいなくなれば、誰と戦えばいんんだ、と
「キュウゾウ」が戦う相手は後輩に、春風亭昇太さんがいるではないか…と問うも…
円丈師匠「あいつは「笑点」に魂を売っちゃったから、と…
あいつは俺の一番弟子になりたかった…でも家の前まで来て、円丈師匠の弟子になったら潰されると野性の勘が働いたようだ…と返す…
柳家喬太郎師匠もいるじゃないか…と問えば
「喬太郎の黒い一面…あいつは新作だけじゃないんだ…桂文枝と…笑…」
「喬太郎は古典落語をやっていた…だけど古典だけではなく、落研時代に作った「すみれ荘201号」という新作をやって人気を集めた…なんで古典落語をやらずに新作をやるんだ…あいつは「柳家」じゃなくて「隠れ円丈一門」だ」と
林家彦いち師匠はどうかと問えば
「あいつは新作よりもラーメン親父に魂を売っている…あいつは「笑点」の林家三平の後釜を狙っている」と
「楽屋へ戻れば怒られますよ」と笑わせる
円丈師匠は、みんな俺のことを怖れて反論もしない、ライバルもいないから、高座にあがりたくない」との一点張り…
おかみさんに「駄目でした」と告げる「キュウゾウ」
「ライバルもいないし、逆らうやつも、いなくなったから」とその理由を言えば
おかみさんが言うには、師匠に逆らった人が一人だけいたと…2年前に円丈師匠に逆らって、破門されてやめちゃった人が一人だけいると…
その人は池袋でおでん屋をやっていると…その人なら師匠を起こすことができるかも知れないと…
さっそく池袋でおでん屋に向かう「キュウゾウ」
池袋のおでん屋「おでん処、白鳥」ここだ!!!
久しぶりの客におお喜びの店長は…というと…笑
酒を提供しつつ
「キュウゾウ」に語りだす
「俺は昔は落語家だったんだ…私は新潟の田舎者…落語って江戸っ子がやるもんだろう…落語は知らない!知らない!」といいつつ
「大将、いっぱいやってくれ」と「キュウゾウ」に酒を勧められると
その酒を口にして「1年ぶりの酒だ…また夢になるといけねえ…」と「芝浜」の一節を
そう言いながら「落語なんて知らないよ」という大将に向かって
「あなた、三遊亭白鳥師匠でしょう…」
「へっへっへー!よくわかったな」とキセルを咥えながら…
「今、私がキセルで煙草を吸ったけど、間違いがある、わからないでしょう…キセルには火を必ずこのような仕草をしてと…これは、2年前に喬太郎さんから教えてもらった」と笑わせる
「だから、古典落語は難しんだ…私のやった仕草では、シャボン玉になる」と…
「キュウゾウ」はどうして2年前に破門になったのかを尋ねると
「2年前、落語協会の理事に柳家喬太郎さん、林家彦いちさん、桃月庵白酒さんや柳家三三さんがなったけど、師匠に、お前、白鳥はなんで理事にならないんだ、バカヤローっ」て言われて、私は言ってやった「「皇室のはなし」をする奴が理事になれる訳がない」と…
すると、円丈師匠は「俺に逆らうのか―!師匠に逆らうとはコノヤローっ」て、「赦せねえ!破門だ!」と
白鳥師匠に元気づけてもらえればと懇願する「キュウゾウ」
これに折れて、三遊亭白鳥さん
「噺家をやめて商売をやっても上手くはいかない…実はあの頃はよかったって反省してたんだ…ぜひお見舞いに…」
と臥せっている円丈師匠のところへ出向く三遊亭白鳥さん
三遊亭白鳥さんは、円丈師匠にお詫びをしなくてはならないことがあると
前座の頃「やかん」という古典落語をならって、その録音したテープを、文字におこすのが面倒くさくて、近くの目黒図書館で落語全集を借りてきて覚えたと
円丈師匠「それは柳家の形だ!」
「すみません、落語にいろいろな種類があることを知りませんでした」
さらに、しょうがないからと、円丈師匠の師匠、三遊亭圓生の全集、直筆のサイン入り、俺の宝物だって言って貸してもらったけど…古本屋に売ってしまいったと…
怒る円丈師匠に三遊亭白鳥さんが言う
「名古屋に連れてきてもらって、どんだけ辛い思いをしたか…どこで生まれた?ときかれ、新潟県ですと答えたら…裏日本って言いましたね!」
「名古屋の人間にとって、日本海はみんな裏日本だー!」と円丈師匠
さらに三遊亭白鳥さん
「お前は落語家に向いていない…雪国の奴には心に雪が降ってる…お笑いにはむかねえと…師匠の知り合いの名古屋のオジサンが「おみゃー、どこの生まれだ」「新潟県です」「田舎だニャー」って…新潟県は新幹線も停まるし、高層ビルもあるのに…どうして新潟県が田舎なのか…その答えは、新潟には東海銀行がないから」と…笑
さらに「ういろう」を自慢する円丈師匠に三遊亭白鳥さん
「ゼリーならゼリー、ようかんならようかんのままでいいのに…新潟には笹だんごしかないだろうと言って、円丈師匠は「ういろう」を持っていけっていただきましたけど…「重い!」
さらには名古屋へ行って、名古屋らしいもの喰わしてくれると言って、食わしてくれたのは、なぜか「東京タンメン」
円丈師匠の公演、文珍師匠と大きなホールで800人ほどの超満員…笑いたいと思って集まったお客さんの前で、師匠がやったネタは「アマゾンの朝は早い」…アマゾンを描写する擬音ばかり30分もするので、客席が鎮まりかえっていたと…それをステージ袖でみていた文珍師匠が
「円丈さん、戦ってますなあ…」
円丈師匠は言葉を返す…
「ウケるネタをやるんじゃない…常に新しいネタに、生涯たった一人で闘って前のめりで倒れていく…これが「円丈魂」だ」
「ウケるネタを何度も繰り返してる古典落語のやつとは違う…新作の道を切り開く先頭に立っている師匠に反抗して申し訳ありませんでした」とわびる三遊亭白鳥さん
「ただ、笑わせるだけでなく常に新しい新作をみせる…これが「円丈魂」…それが分かってもらえたようで…赦してやろう」と円丈師匠
さらに
「「円丈魂」を受け継いでくれた後輩たちがこの世の中で活躍してくれれば…俺は天国に逝く…天国には俺のライバルがいっぱい待っている…先代の円楽師匠も待ってるんだ!!」
「白鳥!じゃあ、あの世へ逝くぜ…」
と円丈師匠の魂が浮かび上がる…
「天国に逝っても俺は戦って古典落語を潰してやる…「円丈魂」みせてやる…」
三遊亭白鳥さんの「師匠はなんで死んでまでやる気マンマンなんですか」の問いかけに
サゲは
「俺はいつでも、えんじょう中だー!!」
いやあ、凄かった!!これって落語??とは思いながらの
さすが「凱旋公演」???の一席でした…
と長くなっているので、次回に続く
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