最近またエミール・タバコフのマーラー全集に耳を傾けている。
タバコフのマーラーは残響が多くぶっきらぼうな痛快な演奏で聞く者を惹きつける。
タバコフの全集は一曲が二枚に分かれているものが多い。
クーベリックのように基本一曲一枚で納めると聞き易いが時間を掛けるとどうしても二枚になる。
タバコフのマーラーはテンポを変えて面白く聞かせている。
千人の交響曲などソプラノが飛び抜けて上手かったりして舌を巻く驚きがある。
全体的に突き放したような演奏で、共感は持てないかもしれないが、快演である。
一時期中古で高値で取り引きされていたが、この頃は値段も安定した。
かつてほど安価ではないが入手できるようになって来ている。
デ・ワールトのマーラー全集と同じく作曲家の肖像写真を多数使っている。
中にはこれがマーラーかと目を疑うような髭姿の写真もある。
私は幸い新品在庫を定価で入手したが、中古なら買い易くなってきた。
エミール・タバコフのマーラー全集を飽きることなく聞いている。
タバコフは最近ショスタコーヴィチの全集作りに着手していて、見逃せない。
そのうちまとまって発売されるだろうと思っている。
タバコフは音作りは繊細ではないが、高いテンションが維持されている。
聞いていると胸をすくような快感がある。
ミヒャエル・ギーレンが引退を表明したのは惜しいがタバコフに期待する。
最近ミトロプーロスのマーラー選集も取り出して聞いた。
やはり荒削りなライブ録音ながら剛腕でマラ3をCD一枚にまとめた手腕は素晴らしい。
熱血爺ミトロプーロスの面目躍如な力演がミュージック&アーツ社のライブ選集で聞ける。
最後になるがキリル・コンドラシンのヴェネツィア・レーベルのマーラー選集も凄い。
日ごろはハイティンクのベルリンフィルのマーラー選集を愛聴しているが、
今挙げた変わり種のマーラー全集、マーラー選集に心奪われる私である。
突き放すぶっきらぼうな怪演をまた取り出して爆音で聞く