今日は夏至だから夜は明かりを消して
キャンドルナイトをやろう!と町の蝋燭屋さんが呼びかけていた。
私のうちもキャンドルナイトやっている。
と言っても蝋燭は危ないのでランタンをつけて
薄明りのなかでアンセルメのベートーヴェンを聞いて、文章を書いている。
このところ何を聞こうかと思ったときに
現代の録音にするか歴史的録音にするか決めかねていた。
そこでエルネスト・アンセルメの登場である。
アンセルメはフルトヴェングラーより1歳年上である。
けれども大分長生きしたのでステレオ録音を多く残した。
フルトヴェングラー世代ということは古い様式の
ドイツ物の大時代的な演奏をよく知っているということである。
フランス物、ロシア物ではモダンな演奏で知られている。
だがドイツ物ではフルトヴェングラー世代の癖が演奏に出るのである。
運命とか大分大時代的な演奏である。
古き良き時代の演奏様式をステレオで聞く。
ワルターやクレンペラーでしか叶わない夢を、
フルトヴェングラー世代のアンセルメのステレオ録音が叶えてくれる。
(と言ってもだいぶモダン化してはいるが)。
せっかくキャンドルナイトで明かりを暗くしているので、
ミヒャエル・エンドレスのシューベルトや
イーヴ・ナットのベートーヴェンのピアノソナタをひっそりと聞こうか。
週末は残りのメモ書きに手をつけたい。首尾よく行きますように。
ランタンの薄明かりでも部屋中にソナタが響く夏至の窓辺に