寺山修司の嘘の多い虚実入り交ぜたドラマチックな自叙伝エッセイを読む。
これで最近3冊目。重なる話も多いのだが寺山自叙伝は演劇の原石でもあり、俳句や短歌の延長でもある。これほど嘘つきを詩情に変える才能も稀有である。
スメタナ四重奏団のデンオンのベートーヴェン四重奏集を聞きながら寺山修司めくっていた。
スメタナのベートーヴェンは高音に破綻がなく、まことに渋い演奏。これとバリリがいいな。
そうこうしていると、真心ブラザーズの2枚組ベストGOODDESTが着いたので聞いてみる。
ユーチューブでディランのマイ・バック・ページのカヴァーを聞いていいと思ったのと、20世紀後半「拝啓、ジョン・レノン」をドラッグ・ストアで聞いて戦慄した思い出があるので、ひょっとして、私と聞いているロック音楽が近いのではないかと思い、検索して、このGOODDESTにたどり着いた。
結論、その2曲がいちばんいい。毒舌によるヒーリング音楽。音程は微妙だが、リズム感がいい。
リズムが複雑で時代時代に変化している。アレンジが豪華で音に厚みがあり、レコード会社が力を入れているのがわかる。思っていたより、不良っぽい。歌詞に本音が多く出てくる。自己肯定の歌が多い。多分、リスナーは励まされる。結局、熱愛に救いを求めている。がなり立てる歌い方が単調。「ダサいおじさん、ジョン・レノン。バカな平和主義者、ジョン・レノン。現実見てない、夢想家だ、…あなたの声はとても優しい。」とかドキッとするけど泣ける。(You 'll be older tooではあるが。)
あの頃の僕より今のこの僕がずっと若いと言い続けたい