「金枝篇」のメモ書きを読んだ。
イタリアのローマ近郊のネミの森のディアナ神殿の
神官になるためには、神聖な木の枝を折って手に入れ
前の神官をなき者にして、自分が神官に就く必要があった、
と資料には書いてある。この神官は森の王と呼ばれる。
この奇妙なしきたりを理解するために
ジェイムズ・フレイザーの「金枝篇」は書かれた。
まず太古には祭司と王が区別されていなかった。
この祭司王には呪術的な繁殖力の増大が期待された。
それは、世界各地の生き神信仰と結びついている。
自然の実りが王と結びついているとすると、
王の力が衰退した場合、実りや繁殖が期待できなくなる。
そこで王に衰退の兆しが見えたら、王をなき者にしようという
発想が生まれる。
森の王は植物の精霊と見做され、繁殖をつかさどっていた。
各地に衰えた王をなき者にする真似の行事が民俗として残っている。
では森の王が代替わりするときに折り取られた金枝とは何か。
フレイザーは北欧のバルデルの神話をもとに、それはヤドリギだと
結論付ける。かくて壮大な「金枝篇」は終わりを迎える。
イタリアの森の王とは民俗の実りの霊が生き返る劇
イタリアのローマ近郊のネミの森のディアナ神殿の
神官になるためには、神聖な木の枝を折って手に入れ
前の神官をなき者にして、自分が神官に就く必要があった、
と資料には書いてある。この神官は森の王と呼ばれる。
この奇妙なしきたりを理解するために
ジェイムズ・フレイザーの「金枝篇」は書かれた。
まず太古には祭司と王が区別されていなかった。
この祭司王には呪術的な繁殖力の増大が期待された。
それは、世界各地の生き神信仰と結びついている。
自然の実りが王と結びついているとすると、
王の力が衰退した場合、実りや繁殖が期待できなくなる。
そこで王に衰退の兆しが見えたら、王をなき者にしようという
発想が生まれる。
森の王は植物の精霊と見做され、繁殖をつかさどっていた。
各地に衰えた王をなき者にする真似の行事が民俗として残っている。
では森の王が代替わりするときに折り取られた金枝とは何か。
フレイザーは北欧のバルデルの神話をもとに、それはヤドリギだと
結論付ける。かくて壮大な「金枝篇」は終わりを迎える。
イタリアの森の王とは民俗の実りの霊が生き返る劇