超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

自作短歌・賢者の石

2024-03-13 15:10:18 | 自作短歌
後半生甘い喜び遠ざかりホイップパンで陶酔を得る
吟行で花の名前を調べつつ町を巡れば歩く花辞書
本を出す松竹梅をさ迷って数年先は時に委ねる

春服を着て歩くにはまだ寒くデニム半纏自宅では着る
札幌で3百円で買えたのに6百円でたまに食う寿し
胸の内漏らした後にふと気づくどんな顔して会えばいいのか

世の中で本出す人の大半は自前で負担していると知る
一冊に賢者の石の原石を込めたところで本は売れない
昔日の名哲学者の歳を超え知恵の星座の一角をなす

人生で起きたすべての瞬間が意味を持ちつつ結晶化する
8歳の子どものためのてつがくを平仮名で書き朝を迎える
知られざる賢者の石の原石はかく生き抜いてここに眠りぬ
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歳時記俳句・花朧ろ

2024-03-13 00:03:42 | 自作俳句
冴え返る寒暖計やココア飲む
春暁に洗い忘れしタオルかな
楽しげに集団登校春曇り

故郷の木造校舎春のロケ
庭先の薔薇の芽育つ長雨や
脇道を歩いてみれば花朧ろ

止まらない苺の味の小粒チョコ
霊山に数え切れない風車
弟も行方知れずの石鹸玉

霧雨にぶらんこ揺れる町疎ら
若柴に寝転んで聞く友の歌
野を走る乙女の摘みし翁草
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