近所の百貨店の雑貨店で卓上扇風機を買った。今使っているが静かで快適。
注文していたティルソン・トーマスのマーラー全集が先日到着した。まだ全部は聞いていないがなかなかの美音。噂には聞いていたが、ティルソン・トーマスはここぞというところでテンポを落とし、溜めを作る。それも個性なので悪くないなと思う。インナースリーブがそれぞれ違うマーラーの肖像写真。丁寧にも各CDにそれぞれの肖像写真が印刷してある。凝った作り。それから上質な紙の分厚い解説書。やはりジンマンのマーラー全集の方が消費者に優しい。
どちらか勧めるとしたらデヴィッド・ジンマンに軍配が上がる。演奏の優劣は個人の好みである。ティルソン・トーマスの美音で抑揚のあるマーラー全集もいいが、感情の揺れを抑えた癒し系のジンマンのマーラー全集だって悪くない。
3千円の庶民的なアブラヴァネルのマーラー全集だって、聞けないことはない。
先日、中古CD店の200円均一セールでフルトヴェングラーのバイロイトの第九足音入りと、オルフェオのもう一つのバイロイト計400円を買って来た。どちらも正規の値段では2千円以上する。こちらは徹底的なデフレ戦略である。どちらの世界が当たり前なのか、正直判らなくなる。
CDコレクションの世界には近づかない方が無難と言えば無難である。それで一喜一憂するのはジャスト・ア・フールである。
2種類のバイロイトの第九400円を買って、新宿のルミネのベルクという喫茶店兼立ち飲みバーに入る。ベルクでマイスターハム&ゲーゼサンド504円と泡立ちブレンド210円を注文して食す。
マイスターハム&ゲーゼサンドは、ドイツの黒いパンに本格派のハムとチーズを乗せた一品でたいへんうまい。ベルクはいつも繁盛している。気軽に入れる新宿らしいお店で、時々壁で写真や絵の展示もさりげなくしている。
ティルソン・トーマスのマーラーの復活も佳境に入り、合唱隊が力を入れ、管弦楽が高らかに鳴り響く。
やはりこれはこれでいいものだ、と思い直す。卓上扇風機が私の暑い夏を救ってくれることを期待している。
卓上で静かに回る扇風機見守っている長い真夏日