景気判断、北海道で引き上げ=ギリシャ問題への懸念も―日銀リポート
日銀は6日、夏の支店長会議を開き、全国9地域の景気情勢を分析した「地域経済報告」(さくらリポート)を公表した。生産の増加などを踏まえ、北海道の景気判断を1年半ぶりに引き上げた。残る8地域の判断は据え置いた。雇用・所得環境の改善などを背景に、9地域全てで「回復」の表現を盛り込んだ。
支店長会議では、国民投票で財政緊縮策に反対したギリシャの情勢について、世界的な金融市場への影響を懸念する声が出された。記者会見した宮野谷篤大阪支店長は「直接の輸出や貿易の関係は地方の企業にほとんどない」としながらも、ギリシャ情勢を注視していく姿勢を示した。
リポートでは、北海道の景気判断に関し、輸出向け輸送用機械などの生産増加を背景に「一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかに回復している」から「緩やかに回復している」に上方修正。杉本芳浩札幌支店長は会見で「能力増強など前向きな設備投資も出てきている」と述べた。