
谷中の三崎坂に古い酒屋があった。
風情が気に入っていたので、古い商店が廃業していくのを多く見て来た経験から、頑張って欲しいと思っていた。
1年程前、突然自転車屋に変わった。
店名は「東京バイク」である。
初めて見た時には違和感があったが、慣れて来ると満更でもなくなって来る。

玄関上の杉玉が目立つが、良くみると玄関横のガラス窓の「酒」の文字もそのまま残している。
店内の造作の多くもそのまま生かした店作りをしている。
歴史を経た建物と自転車屋と言うよりバイク屋と言う方が似合う商いがこの街に馴染んで来た。
このバイク屋は三崎坂の八合目くらいの所にある。
坂の途中ではバイクを売るのにハンデだと思うが、結構人気店になっていて、お客さんが多い。

ある時、ANAの機内誌で店が紹介されているのを見つけた。
その直後、家内の電動自転車が壊れた。
やっぱりこれは縁だろうと、早速、三崎坂に家内を連れて行く。
カラフルなシャーシモデルが置いてあり、BGMにボブ・ディランが流れている。
この環境に購買意欲が湧いてしまう。

躊躇する家内に対して、断然私の購買意欲が勝ってしまい、殆んど私の好みの仕様で押し切って購入した。
勿論、ベルや鍵などの付属品も私の好みで・・・。

この店の製作コンセプトは、ロードランナーを提供するのではなく「東京を走るバイク」である。
従って、それ程高くない(電動自転車より安い)。
主婦には買い物駕籠が欠かせないとの事でこうなった。
私もママチャリの範囲で遊ぼうと思っている。
普段着で自転車に乗り続けようと・・・。
・・・で、この度神楽坂に置いてみた。
ちょっと遠慮勝ちに。
7段変速で、タイヤが細いので、走り出しが楽らしい。
当然上り坂も。
我が愛車は1年半前に買い替えたばかりでスペック的には何ら問題が無い。
・・・家内が羨ましい。
<追伸>
日曜日の谷中と根津で3台の東京バイクを見た。
流行っている!