まずはオーシャンS。勝ったのは、キトゥンズジョイ産駒ジャンダルム。好スタートから3番手追走へ。快調に逃げるキズナ産駒ビアンフェをマークしながら、直線ではそのビアンフェの外側へ持ち出す。ラストの坂のところでビアンフェを豪快に交わすとともに、後方から猛然と追い込んでくるゴールドアリュール産駒ナランフレグの追撃を抑え切って勝利。
老雄ジャンダルムが、スプリントGⅠ路線に復活の狼煙を上げました。今年の高松宮記念は絶対的な本命がいないため、十分にチャンスがあります。2着に追い込んだナランフレグ、そして逃げて3着に粘ったビアンフェも然り。この1~3着は本番でも要注意であります。
一方、1番人気のスマートクラージュ、3番人気のファストフォースは、好位置が取れていたにも関わらず、勝ち馬やビアンフェのようには粘れませんでした。ここは現時点での地力の違いが出たと言わざるを得ないでしょう。
次は桜花賞トライアル、チューリップ賞。勝ったのはハービンジャー産駒ナミュール。中団待機を選択して脚を溜めます。コースはロスのない内側を走ります。前にサークルオブライフ、ウォーターナビレラ、サウンドビバーチェを見ながら、そしてナミュールのすぐ後ろにはミッキーアイル産駒ピンハイがピッタリ。直線に入ると、前を塞がれ、やむなく1番外へ持ち出します。ラスト200mのところでスパートをかけると、スピードの違いを見せつけて、先に抜け出していたサークルオブライフを豪快に差し切り、また内埒際を伸びてきたピンハイの伸びも抑え切って、1馬身1/2差で完勝。勝ちタイムは1分33秒2。
ナミュールが非常に強い勝ち方で桜花賞トライアルを制しました。横山武史騎手の騎乗も素晴らしく、桜花賞はこの馬でほぼ決まりと言って良いでしょう。2着のピンハイの切れ味も本番では注目。きっちり仕上げ切っているので糊代はありませんが、有力馬の1頭でしょう。2歳チャンピオンのサークルオブライフとウォーターナビレラは、八分の仕上げでしたので、本番はさらに上のレベルで出てくるでしょう。見限るのは早すぎます。
惜しかったのは、新馬戦以来、7か月ぶりの出走のため、スタートで大きく出遅れたルージュスティリア。勝ち馬と同じ最速の上り33秒9で6着まで追い上げていました。出遅れがなければ3着はあったかもしれません。桜花賞への出走は無理となりましたが、オークストライアルに向けて出直してほしいと思います。
そして皐月賞トライアル、弥生賞ディープインパクト記念。勝ったのは、3番人気のディープインパクト産駒アスクビクターモア。好スタートから2番手の位置を取りました。ただし、逃げたリューベックがスローの展開に持ち込んだため、2番手でも引っかかる素振りを見せていました。前半1000mが1分1秒1で遅すぎたため、残り800mの時点で、自らロングスパートを仕掛けて、後半のレースを消耗戦に持ち込み、4コーナーから直線に入るところで早め先頭に立ち、後続を突き放しに入ります。そこに、4番手追走から、一度後方へ順位を下げていた1番人気のドウデュースが、再度エンジンを吹かして、先頭からクビ差まで迫ったところがゴール。
勝ったアスクビクターモアは、これで中山で3勝目となる中山巧者。勝ちタイムの2分0秒5も悪くない。淀みないペースで消耗戦になりやすい、本番の皐月賞でも有力馬になりそう。2着のドウデュースは、まだ余裕のある馬体ですので、本番ではギリギリに仕上げてくるでしょう。ただ、今回、ロングスパートを仕掛けられた時に位置を下げたのは気になります。やはり、この馬にとっては消耗戦よりも、マイルでの切れ味勝負の方が向いている気がいたします。
一方、3着のハーツクライ産駒ボーンディスウェイは、消耗戦を勝ちにいっての3着ですので評価できます。4着ジャスティンロックも同じく、距離が伸びた方が良さそう。5着のインダストリアはメンバー最速の上り34秒9で追い込みましたが、道中9番手の位置取りが最後まで響きました。この馬も、やはりマイル向きかも。