さぁ、いよいよパリ五輪が始まります。
開会式は7月26日(金)でありますが、本日からサッカーや7人制ラグビー競技の予選が始まります。
2021年の東京大会は、何と言っても「無観客」でしたから、「有観客」の本格的なオリンピック開催は8年ぶりとなります。スポーツには、政治・外交を超える力があり、言葉がなくても世界中を共感させて心を通じ合わせる力があります。その潜在的なパワーをいかんなく発揮するパリ五輪であって欲しいと祈念いたします。
もちろん、心配もあります。
直前に、米国でトランプ候補狙撃事件があったように、世界中のどこでも「根の深い分断」が生まれつつあります。特に今回の開会式は、閉鎖空間であるスタジアムの中で行われるのではなく、セーヌ川の畔という開放的空間で開催されます。そこに世界中の政治指導者や皇室が一堂に会す訳ですから、テロの標的としては格好の的となります。
ウクライナとロシアの戦争、ガザ地区でのイスラエルとハマスの紛争が収束する気配がない現在の状況下、もし万が一、五輪の開会式で悲惨なテロ事件が発生して、世界のVIPおよび観客の何名かが犠牲となるだけで、全世界中に不穏な情勢が一気に拡大するリスクが存在しています。
世界中の人類を巻き込んだ世界初の大規模戦争である「第一次世界大戦」のきっかけは、オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子夫妻が、帝国傘下の地であるボスニアで暗殺されたことでした。犯人はセルビア人のナショナリストで、ボスニアの地を取り戻し大セルビア国を創る意図だったと言われています。
同じようなことが、イスラム原理主義傘下の過激派、あるいはロシア内チェチェン共和国の過激派が、その身分を隠してテロを起こすことは十分に考えられます。そして身分を隠すがゆえに、テロを裏で指示したのが「ハマスか?」「ロシアか?」と疑われたり、世界中が疑心暗鬼になればなるほど、突発的な戦闘行為が各地で発生してしまうリスク。これが最も恐ろしい。
平和の祭典オリンピック。
ぜひ無事に開催されることを祈っております。