超然とした世界観。
自伝的物語ということで、時代は70年代から80年代でしょうか?
かなり懐メロ的、懐かしい大学の空気。
パーソナル・コンピューターの無い時代の紙と鉛筆の時代の大学研究室。
今から振り返れば、相当なアナログ感です。
《尊敬すべき先生の姿》が語られるところは、
まるで夏目漱石の文章を読んでるような感覚に陥ります。
淡々と話が進んでゆくので、
何処にオチがあるのだろうかと不安を感じさせ、
読者を唸らせる瞬間が訪れるのだろうかと半信半疑状態で読んでゆく。
そして、ラスト、
《おっ!》
★喜嶋先生の静かな世界(文庫本)
著者:森博嗣
出版社:講談社