何者かが、十万両ばかり盗んでいった。今朝、医院の中庭を見ると万両の実が半分ほど無くなっている。一昨日は天気が良かったので、鳥が見付けて啄んでいったものと思われる。流石に平日は人気があるので、地べたまでは舞い降りてこない。赤い実を食べて赤くなった知らんぷりの盗人鳥がどこかに居るだろう。もっとも赤い実は食べられるのを期待している面もあるので、盗人呼ばわりは失礼かもしれない。
毎日郵便物がたくさん届く、平均して十二、三通だろうか。その中に月に二、三通アンケートが舞い込んでいる。七、八年前までは、忙しい合間を縫って返事をしていた。大抵、図書券500-1000円のお礼が貰える。しかし、今はもう返事をするのを止めた。どの薬を使っているだの、どこのメーカーのMRがよく来るだのといった情報を送っても、医学に貢献しているとは思えないからだ。
こうしたアンケートの中に、お礼無しの半ば公的な調査票が混じっている。一ヶ月何人患者さんが来院したか何軒往診したか、税務署じゃあるまいし大きなお世話なのだが、恐れ入ることに何時までになどといった期限が付いている。謝礼などもとより不要なのだが、たとえ五千円頂けてもやりたい仕事ではない。ただ、行政に役に立つかと思い協力している。こうした調査だって、無視する豪傑?は結構いると思う。罰則と利益がないものは忘れる先生方もおられるのだ。書いても何処まで行政に生かされるものか心許なく、なんだか貴重な時間を盗まれたような感じが残る。滅相もないと役所の方は言われるだろう。しかしこうしたデータの多くは月々のレセプト(診療費保険請求書)を見れば分かることだ。組織を越えたデータの横流しは許さんという医師も居られるだろうが、有り体に言えば電子化は当然そうしたデータの活用も考慮に入れていることだし、正確なデータからより良い行政というのは、調査票記入などという二重手間もなくなるし結構なことだと思う。
「先生、お電話です」。「どこから」。「横浜の吉田さんだそうです」。横浜の吉田なんて知らないがと出ると、マンションを買えだの証券はいかがですかといった売り込みだ。「結構です」。と断るのだが、仕事を中断され何分も時間を使わされ、不快な気分が残る。時間泥棒以外の何者でもない。
毎日郵便物がたくさん届く、平均して十二、三通だろうか。その中に月に二、三通アンケートが舞い込んでいる。七、八年前までは、忙しい合間を縫って返事をしていた。大抵、図書券500-1000円のお礼が貰える。しかし、今はもう返事をするのを止めた。どの薬を使っているだの、どこのメーカーのMRがよく来るだのといった情報を送っても、医学に貢献しているとは思えないからだ。
こうしたアンケートの中に、お礼無しの半ば公的な調査票が混じっている。一ヶ月何人患者さんが来院したか何軒往診したか、税務署じゃあるまいし大きなお世話なのだが、恐れ入ることに何時までになどといった期限が付いている。謝礼などもとより不要なのだが、たとえ五千円頂けてもやりたい仕事ではない。ただ、行政に役に立つかと思い協力している。こうした調査だって、無視する豪傑?は結構いると思う。罰則と利益がないものは忘れる先生方もおられるのだ。書いても何処まで行政に生かされるものか心許なく、なんだか貴重な時間を盗まれたような感じが残る。滅相もないと役所の方は言われるだろう。しかしこうしたデータの多くは月々のレセプト(診療費保険請求書)を見れば分かることだ。組織を越えたデータの横流しは許さんという医師も居られるだろうが、有り体に言えば電子化は当然そうしたデータの活用も考慮に入れていることだし、正確なデータからより良い行政というのは、調査票記入などという二重手間もなくなるし結構なことだと思う。
「先生、お電話です」。「どこから」。「横浜の吉田さんだそうです」。横浜の吉田なんて知らないがと出ると、マンションを買えだの証券はいかがですかといった売り込みだ。「結構です」。と断るのだが、仕事を中断され何分も時間を使わされ、不快な気分が残る。時間泥棒以外の何者でもない。