中華料理も好きで月に一二回食べに行く。メニューを見れば少なくとも三十多い店では百近い種類があるのだが、迷った挙句結局二回に一回は酢豚を頼んでしまう。おそらく豚肉料理では一番好きなように思う。子供の時、母と町へ出かけた帰り「八路」という中華料理店で初めて酢豚を食べた時の感激が忘れられない。こんな美味いものがあるのかと脳天が痺れた。昔のことだから、普段たいしたものを食べていなかったせいもあるだろう。
尤も、大好物の酢豚といっても最近は舌が肥えたせいか手抜き調理が出てきたせいか不合格の品を出す店もある。私の基準では肉は適度に柔らかく衣には歯ごたえがないといけない。甘酸っぱいタレはきちんと粘稠でなければならない。この三点がクリアー出来ており、その上でのバリエーションは歓迎だ。パイナップルやケチャップ入りも美味しく頂く。
酢というのは語れば奥深い調味料のようだが、数年前から当地の中華料理店に黒酢の酢豚が登場した。これが独特のこくのある酸味で肉によく合う。それを強調したいためか、黒酢の酢豚は肉のみで供される。数切れ有難く味わうのが宜しい。この黒酢は研究熱心なこの店の主が中国に出かけて見つけてきたものらしいので、全国どこにでもあるものかどうかは知らない。
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