昨年読んだミステリーでは出色のミレニアムが映画化された。見たいと思っていたが、英語でないせいか、地方にはなかなか回ってこず半ば諦めていたのだが、先日見ることが出来た。
本を読んで出来ていた登場人物のイメージとそぐわない配役も、見ている内に成る程とイメージが重なっていった。、リスペットはもう少し細面で碧眼に、ザラは痩せて尖った感じに、金髪の巨人はもっと丸顔に思っていたのだ。映画にするとこうなるんだろうなと、納得のそして良くできた作品で楽しめた。
本を読んでいない家内もまずまず楽しんだようで、日本に住んでいて良かったという不思議な感想を漏らしていた。
映像の良さは北欧の風光が伝わってくることだ。スウェーデンに行ったことはないのだが、透明で薄い光と静かで冷たそうな水面からどことなく高緯度なのが感じ取れた。こうした気候風土が北欧の文化形成に深く関わっているのは間違いない。理知的でどことなく冷たく、過度で過酷な所があるのに淡泊な印象を受ける。ミレニアムも物凄い内容なのだが、嫌な感じがせず抑制の効いた暖かささえ感じられたのは、この気候風土に育まれた土地柄も影響しているのだろう。
リスペット(ノオミ・ラパス)とブルンクヴィスト(ミカエル・ニクヴェスト)を演じた俳優は味があり、別の作品でも見てみたいと思った。