既に三寒四温の季節になっているようで、寒さが緩んだり厳しくなったりの行きつ戻りつを感じている。今朝は寒かったが、日差しは春で同じ寒さでもさほどこたえない。
安陪首相は優れた役者だけでなく老練な権力の使い手でもあることが明らかになってきた。機をみるに敏、巧みな戦略で権力を行使してゆく。
国民の多数がその存在価値に疑問を持ち始めていた農協の改革とその必要性を感じている農業改革を梃に、農協の力を削ぐ政策をあっという間に打ち出し実行した。これは一石三鳥の深謀遠慮の作戦と思われる。つまり、TPP実現の足枷を除いてしまおうという魂胆もあるのだ。
大票田の農業従事者の票を失いかねない方向転換でも、突き放させば野党になびく体質ではないと見抜いている。優れた役者というだけでなく類い稀な権力の使い手でもあるようだ。
俄成金に喩えては申し訳ないが、民主党が転けたのは慣れない権力を使いこなせなかったからだと思う。安陪首相が権力を臆することなく使いこなすのを見ていると、やはり付け焼き刃でない血筋のせいだろうかとも思えてくる。
しかしまあ、名演も世界では必ずしも通用しないようだし、たかだか三代目では世界では並と見なされよう。それに、力に屈しない人達も居るし、反対する者を退ければ事が成るというものでもないと思う。振り回すと怪我をする。何が何でも自分の手でには賛成しかねる。