書評で褒めてあったので、山口ミルコという人の「毛のない生活」と「毛の力」を読んでみた。あっという間に読めてしまう。
乳がん治療体験が正直に独特なタッチで書かれている。闘病本を読まないので、こうした展開がよくあるものかどうか知らないが、著者の感覚と個性が際だっており、内容よりも、そちらの方に目が行ってしまった。人間は命の危険に晒されるとそうなる部分もあるのだろうが、科学的でも合理的でもなく感覚的に行動してゆくのに驚かされた。勿論、ご本人の中ではそうではなく、私の感想は筋違いと言われるだろう。
自分の誤読かも知れないが、こうした衝動的で感覚的なバイタリティ溢れる女性が世の中を動かしているのかもしれない。失礼かも知れないが、この方が編集者だったというのに複雑な気がした。尤も、私の方がずれていて、ミルコさんの方が中央に居るのかもしれない。
どうもあまり褒めていない?ような感想なので、食指が動くかどうか分からないが新しい視点を与えられる本なのは確かだ。