認知症の老人が増えた。独り暮らし二人暮らしの高齢者が増えた。ということは認知症の独り暮らしや二人暮らしが多くなったということだ。子供が近隣に居ても、もう駄目ですと夫婦揃って生活保護になる高齢者も居られる。
息子娘といっても五十代が多く、立派な大人なのはずなのだが、親を支える心づもりのない人も結構多い。お互いに世話しない世話にならないと親子の考え方も少し変わってきているようだ。ただ行政に頼ろうという気持ちは強いようで、色々書類を書いてくれと頼まれる。公報に載っている認知症専門医の診察が受けたいから紹介状を書いてくれ、介護保険の意見書を書いてくれと気軽に電話で頼んでこられる。こまごま様子を聞かされた上頼まれて、忙しい受付はまいってしまう。当院は下請け診療所ではないんですがと言いたくなる。
厚労省の打ち出している自立支援という考え方には、そこまではできませんよという意味合いも含まれているようで全面的には賛成しかねるところもあるのだが、どうも甘えというか頼り過ぎるところのある人も多く、やはり自立という考え方も必要な国だなと思う。
自分のこととなると使えるものは何でも使おうとする人、市民の要望に何かと答えようとする行政、甘えという言葉が適当かどうか分からないが、自立よりは依存が得意な国かもしれない。