七、八年前を最後にデジカメを使わなくなった。出始めにさっそく買い、進歩の宣伝につられ五台ほど買った。今も手元に三台残っており、まだ使える?と思うがもう何年も使っていない。全て携帯写真で済ましている。画質も上がったし携帯しやすい。なんと言ってもいつでも持っておりすぐ使えるのが大きい。
デジカメはフィルム現像写真を過去のものにしたが、自らの天下は意外に短くたかだか二十年だった。技術力を持った理工系の人は、技能は優れていても時代を読む力はさほどではなく小さくなった市場に臍を噛んだだろう。
どうも人間というものは易さというか手軽さを優先する生き物のようだ。古から易きにつくなという戒めの言葉が残っているが、それは易きにつく人が圧倒的だからだ。倍優れている程度では面倒高価は生き残れない。十倍優れていなければならないと読む。尤、それで生き残れるがメジャーになることは難しい。