蝉が梅雨が明けたぞと鳴いている、気象庁はそれを聞きつけたらしい。
患者さんには痩せた人から太った人まで色々な体格の方が居られる。中には30kgに満たない高年女性もおられる。別に衰弱しているわけではなく、28kgでもきちんと自力で通院し家事をこなしておられる。診察すると本当に華奢で、失礼ながらよくこの身体で子供が産めたなあと驚いてしまう。勿論、若い頃にはこれほどは痩せておらず、35,6kgあったと言われる。それでも華奢な事には変わりない。
少子高齢化社会になったと言われる。今後更にそれが進み、社会を支える労働者人口が減って、活力のない日本になるので、早急に手を打たねばならないと言われて久しい。しかし中々有効な手段がないようだ。
動物などは生殖の時期が決まっているようで、その時期になると雄も雌も必死で配偶者を探して、子孫を残そうとする。異性を引きつける能力の個体差はあるようだが、独りで生きるのを選択する個体は居ないように見える。なぜ人間には結婚という形態ができ、独特の配偶者を選ぶ手続きが出来上がったのだろう、不勉強でよく知らない。そうした形態や手続きが、どの程度生殖の支障になっているのか、とにかく独り身を選ぶ人が増えている。人間の生態と生殖の研究分野から、少子化対策に何か提言はないものだろうか。
一寸脱線したが、男が思うほど出産は楽な仕事ではない。英語ではlabourと言うくらいだ。勿論、中には本当に安産の人も居るが、殆どの女性は大変辛い思いをしてお産をしている。空威張り男に出来る仕事ではない。華奢な女性が必ずしも難産というわけではないが、印象としてはこのか細い身体でよくと思ってしまう。飛躍しているようでも、そこに性の不思議を感じる。生と性は表裏一体、薄い皮膜の間に鬼も十八という遠くて近い世界が広がっているようだ。