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ポール・ブレイのジャズ・スタンダード集

2022-12-25 | JAZZ
色々あった1年ですが、今年もクリスマスはやってきました。
そこで、「サンタが街にやってくる」を演奏しているポール・ブレイ・トリオのアルバムを取り上げてみました。

「MY STANDARD」 SCS - 1214
  SANTA
 1. SANTA CLAUS IS COMING TO TOWN
 2. LOVER MAN
 3. ALL THE THINGS YOU ARE
 4. LONG AGO AND FAR AWAY
 5. BLACK AND BLUE
 6. I WISH I KNEW
 7. IF I‘M LUCKY
 8. YOU‘D BE SO NICE TO COME HOME TO
 9. I CAN‘T GET STARTED
10. THE THEME
PAUL BLEY (p) JESPER LUNDGAARD (b) BILLY HART (ds)
録音 1985年12月8日

このアルバムの制作に当たっては、プロデューサーのニルス・ウインターの助言があって誕生した様ですが、それを受け入れてこれらの選曲をしたポール・ブレイの心境を読み取ることは出来ません。
デビュー時代を除けば、全体をスタンダードで占めるアルバムはこれまで無かったと思います。
裏解説には、コールマン・ホーキンスとソニー・ロリンズの共演盤である「ソニー・ミーツ・ホーク」にピアニストとして参加していることが書かれていますが、今回のアルバムにもその時に演奏していた2曲(2,3)が含まれています。

1曲目の「SANTA CLAUS IS COMING TO TOWN」は、1953年11月にポールがチャールス・ミンガスとアート・ブレイキーのトリオでデビュー・レーベルに録音していますが、ビル・エヴァンスもアルバム「TRIO ‘64」と、自身の二重録音によるピアノ・ソロ・アルバムでも取り上げています。
そして、この曲の演奏が2回目となるこちらのアルバムでは、音を選びながらも軽快なプレイを展開しています。
続いての「LOVER MAN」は、ECMのソロ・ピアノでも聴いているような官能的プレイで迫っており、それに応対するイェスパーのベースも中々のもので、このアルバムのハイライトと思われる素晴らしい演奏となっています。
ファッツ・ウォーラーの作曲による 「BLACK AND BLUE」は、4ビートで淡々と演奏が進行して行きますが、後半でのベース・ソロとそれに続いてのピアノとベースのインタープレイが印象的です。
「I WISH I KNEW」は、イントロのトレモロによる長いルバートを経てアドリブへと続いていき、最後にこの曲のメロディが出てくるという展開となっています。
「IF I‘M LUCKY」は、2曲目の「LOVER MAN」と同様に、ポール独特の美意識の世界が展開される演奏で、それに絡むベースとの“間”が絶妙です。
「YOU‘D BE SO NICE TO COME HOME TO」は、ポールの奏でるテーマ・メロディや、イェスパーの長いベース・ソロ等、聞き所がたくさんある1曲です。

このアルバムの全体を通して言えることは、音の使い方はいつものポール・ブレイで、随所でピアノとベースのインタープレイが繰り広げられていて、リバーサイド時代のビル・エヴァンス・トリオを彷彿とさせるところもあり、それが一層スリリングな展開となっています。

コメント
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