第69回は、ベニー・グッドマンの「プレイズ・フォー・ザ・フレッチャー・ヘンダーソン」です。
アルバム・タイトルにもあるフレッチャー・ヘンダーソンは、ベニーグッドマン楽団のアレンジャー、ピアニストとして活躍していた時期があります。
これは、彼が当時重病であったことからその基金募集のために行われたライブ演奏集で、1951年4月1日にWNEWを通して放送されたものです。
ベニー・グッドマンは数多くの録音を残していますが、中でもこのアルバムは最も良好な演奏の内の1枚だと思います。
長い間、国内盤で聴いてきましたが、当時のオリジナル盤の入手を切っ掛けに、このコーナーで取り上げてみました。
「THE BENNY GOODMAN TRIO」 COLUMBIA RECORDS GL 516
PLAYS FOR THE FLETCHER HENDERSON FUND
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/1e/cf/1fb4a97989d14b63c51766547f7eb5c1_s.jpg)
1. CHINA BOY
2. BODY AND SOUL
3. RUNNIN’ WILD
4. ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET
5. AFTER YOU’VE GONE
6. BASIN STREET BLUES
7. ROSE ROOM
8. HONEY SUCKLE ROSE
9. I FOUND A NEW BABY
10. ONE O’CLOCK JUMP
BENNY GOODMAN(cl) TEDDY WILSON(p) GEAN KRUPA(ds)
with LOU McGARITY(tb) BUCK CLAYTON(tp) EDDIE SAFRANSKI(b) JOHN SMITH(g)
録音 1951年4月1日
演奏はベース・レスの黄金トリオを中心に行われますが、曲によってはトランペット、トロンボーン、ギター、それにベースが参加していて、変化も楽しむことが出来ます。
演奏されている10曲は、いずれも有名曲ばかりですが、冒頭の「チャイナ・ボーイ」はスピード感あふれる演奏で、1936年の名演の再演です。
ここでは3人が息の合ったところを見せており、クルーパーのドラム・ソロの後の大きな拍手が全体をプッシュしています。
2曲目の「身も心も」は、一転してきれいなバラードで、多くのミュージシャンが取り上げていますが、グッドマンのクラリネットも美しいです。
アップ・テンポに戻った3曲目の「ランニング・ワイルド」は、クルーパのドラミングが冴え、途中で掛け声も掛けています。
4曲目の「明るい表通りで」は、ベースが加わったカルテットで演奏され、ベース・ソロも入って非常にリラックスした演奏が展開されています。
と、次から次へと好演が展開されるこのアルバム、
60年以上前のモノラル録音ですが、演奏良し、音良しの1枚です。