夢のあと

釣りには夢があります。夢を釣っていると言っても過言ではありません。よって、ここに掲載する総ては僕の夢のあとです。

コロナで釣りにならない

2021年04月01日 20時16分55秒 | タナゴ釣り

 ワンコの注射をするために、まず朝一は動物病院へ。痛がりもせずに無事注射も終了。午後からは何か釣りたいと思っていました。
 今、JGFAはコロナの拡散を助長するような事はできないとして、現在記録の申請を受け付けていません。ってことはたとえ記録魚が釣れても記録にならないということ。釣ったってどうしようもありません。しかも、そんな時に限って記録魚が釣れてしまうのが世の常です。こんな時って記録が関係ないタナゴ釣りくらいしかないじゃん。ってことで近所のタイリクバラタナゴ釣りに行くことにしました。
 が、現在コロナの影響で近所のタイリクバラタナゴ釣り場はメチャ混み。都内からの釣り師と地元の釣り師で釣り場の奪い合いです。朝暗い内から行かないととても場所が確保できない状態。午後からなんて調子が良過ぎる話ですが、これくらいしかないのでチャレンジしてみました。
 上流からポイントを点々と覗くも、どこもしっかり人が入っています。かなり探したのですが入る場所はありませんでした。“じゃーソウギョでも見て来るか”と釣具を取り換えに自宅に向かう途中、先ほどまで人がいた場所が空いていました。どうやら今帰った模様。そそくさと用意を整え早速釣り開始。不運にも先ほどまで静かだったのに風が出て来て・・・。最近やってなかったタイリクバラタナゴ釣りの軽い仕掛けが扱い辛くて仕方がありません。で、久しぶりなので総ての作業がたどたどしくなってしまって自分にイライラして来ます。その上、餌がなんとなくしっくりきません。考えてみれば10年以上前に買った練り餌です。腐っているわけではありませんが、グルテンが平均せず、鈎に付ける時にムラがあって付く時にはどっさりついて、付かない時は全く付かない。加えてグルテンが少ない時は着水後すぐにばらけて鈎に餌が残らず、逆にグルテンが多い時は全然バラけず。本来なら買い直すべきなのですが、こんな状況なので場所を確保するためにもこのままやるっきゃないです。
 釣り始めてしばらくしたら魚信が出て来ました。魚が寄って来た証拠です。すると最初からタイリクバラタナゴが釣れてくれました。まだ小さいので、オスかメスかの判断もできません。その後、外道(モツゴやタモロコ)と共にパラパラと釣れて。でも盛期の物ではありません。そして一時間くらい釣ってやっと10匹くらいになった時、車が止まって人が出て来ました。いきなり『タナゴですか?』って声を掛けられて。「ハイ」って応えると『ここでも釣れるのですか?』と。“釣れない所でやる訳ないじゃん”と思いながらも『いくつか』と答えました。どうやら僕を疑っている様子。見せて欲しいとの事なので魚籠を見せると『こんなに!・・・10匹くらいいるじゃないですか!』って。タイリクバラタナゴ釣りで10匹は少な過ぎるのですが、とりあえず「盛期になればもっと釣れるのですが、まだ水の中は冬みたいです。」とお話ししました。するとその人、『東京から朝一を狙って来たのですが、知っている釣り場には総て人が入っていて、空いた場所で釣ろうと思ったのですが、そんな甘い物じゃなかったです。先ほどここも見たのですが他の人が釣っていたようですが。。。」と苦労話(?)を聞かせてくれました。車を見ると世田谷ナンバー。「世田谷からわざわざ来たのですか?」と聞くと『時々来ているのですが、最近はなかなか釣り座が確保出来ず、諦めて帰ることが多いです。今日ももう入れるところがないので帰ります。』とのこと。わざわざ遠くから来て竿も出さずに帰るのは悲し過ぎます。そこで「ここでやってください。僕はもういいですから。」と言うとビックリしたような顔をして『えっ?いいんですか?実はさっき他の場所で釣っている人に“隣でやっていいですか?”と尋ねたら、“釣り場はここだけじゃないんだから他に行ってくれ”って言われてしまったんです。』って。確かにみんなカリカリしてます。で、僕は竿を畳みました。とても喜んで釣り道具を出して来たその人の道具は素晴らしい物ばかり。相当の金持ちか相当のキチガイか?いずれにしても相当お金を注ぎ込んでいます。それを言うとニコニコしながら『いや~、たいしたことないですよ。これが唯一の趣味ですから。』と謙虚。そして釣り始めた彼。僕が概ね魚を集めておいたのですぐに魚信が出だしました。が、なかなか掛けられませんでした。時々、掛かったと思ったらタモロコやクチボソばかり。タイリクバラタナゴの魚信はあるも、ことごとく外してくれています。面白いのでしばらく見せてもらいました。本人もタイリクバラタナゴの魚信は判っているらしく、どうして乗らない(掛からない)のか?と考えあぐねていました。「ハリスかもしれないので僕のを使ってみてください。」と僕が使っている物を差し上げると、そのハリスの細さにビックリしてました。その人が使っていたのはG社の最高級のタナゴ鈎の糸付き。何号だかは判りませんが、かなり太い黒い糸が使われていました。僕のは自作した極細ハリス、自作なので何号位かは判らないのですが、概ね0.0005号くらいではないかと思っています。そしてその人、それを使っていきなりタイリクバラタナゴGet。・・・偶然?・・・しばらくするとまた1匹Get。こうして4匹釣ると『ハリスってこんなに違うんですね!』って、二度目の驚きも隠せません。そして『これは素晴らしいです。ちなみにどこで売っているのですか?』と聞かれたので「自作です」と応える、と同時に『自作って、ハリスをですか?しかもどうやって鈎に結んでいるのですか?』と質問。「普通に外掛け結びで」と応えると『手で結ぶのですか?』と。確かに目では見えない位の細さです。でも足ではとても結べません(笑。こんな冗談を飛ばしながらの会話をしている中、また何匹か釣ってくれて。。。僕は釣りしてないし、夕方で寒くなって来たので帰宅。その人は“コロナがこんな状況ですからまたいつ釣りが出来るか分からないので(釣りが出来る)ギリギリまでやって行きます。”とのこと。帰り際、『こんなハリスでしか釣れない状況なのに、こんな細いハリスは売ってないし、作ること自体無理だし、もし出来たとしてもとても結べない。』と悲しい表情をしていました。どうやら買う事しか考えられないようです。なので「僕はたまたまハリスに工夫をしただけです。それなら、ハリス以外に何かしらの工夫をしてそれ以上の効果を出せばいいだけです。それを考えるのがタイリクバラタナゴ釣りの一番面白いところですよ。お金で勝負しようとすると(市販品として買える状況だと)みんなが買うから誰でも真似できてしまいます。でも工夫はいくらお金を出しても買えないものです。つまりは自分だけの物です。だから工夫はとても楽しいのですよ。」を最後の言葉にその場を後にしました。
 タイリクバラタナゴ釣りは確かに道具の勝負です。腕は関係ありません。それなりの場所でそれなりの道具で釣っていればそれなりに釣れてしまいます。でも、それ以上を目指すとお金での勝負ではなくなってしまうのです。金持ちだけが沢山釣れる釣りなんて面白くも何ともありません。
 あの人、タイリクバラタナゴ釣りが理解できたかな?


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