
以前、沢山の伝承毛鉤を拝見させていただく機会があり、その凄さに衝撃を受けた僕は伝承毛鉤は安易に口にすべきではないと感じました。その衝撃たるや想像をはるかに超え、いまだにそのインパクトが消えません。
そんな中、ここにコメントをくれる小次郎様がUPされた伝承毛鉤風毛鉤を巻いている動画を拝見させていただき驚きました。とにかく早いのです。一本巻くのに3分台。ちなみに僕は一本巻くのに概ね15分。つまりは僕が一本巻く間に小次郎さんは5本巻けてしまう計算です。
伝承毛鉤は日本の各地で限局的、かつ閉鎖的に用いられていた毛鉤たちですので、それらには何の脈絡も無さそうなのですが、必要な因子だけを抽出して一切の無駄を省いた毛鉤である点は総てに共通しています。伝承毛鉤を用いたのは職漁師ですから、如何に『経費』を掛けずして沢山の魚を釣るか?だけに固執してプロたちが切磋琢磨して出来上がって来た毛鉤たちが伝承毛鉤ですから、当たり前と言えば当たり前です。その『経費』の中には当然ながら労力も含まれています。職漁師たちの『簡単に巻け、しかも沢山の魚が釣れる』という毛鉤巻きの精神面からも小次郎様の伝統的なテンカラ釣りスタイルに敬服してしまいました。
というわけで、最近お休みしていた毛鉤巻きを再開しました(最近は糸作りばかりやってました)。伝承毛鉤は最近のフライマテリアルのような高価な物は使いません。せいぜい後半で孔雀が使われた程度です。ほとんどが山に普通にある素材を使って作られています。中には生活用品の廃品を組み込んだものまであったりして、職漁師たちの貪欲なまでの研究心には驚かされます。そしてその辺りにも簡単に専門の良い材料が手に入る我々が作った毛鉤には存在しない『味』と『粋』を感じずにはいられません。
画像はカケスの羽根をハックルに使った毛鉤です。カケスの羽根には綺麗なスカイブルーの色をした部分があります。その部分の羽根を使いました。伝承毛鉤でも、使い方こそ違っていましたがカケスが使われている物があります。実際、羽を手にとって見ると、ファイバーには案外適度な弾力があっていい感じでした。
で、出来上がったのがこれです。材料は、そのカケスの羽根、ゼンマイの綿毛、巻き糸およびアイとテールは総て絹糸です。セメントは使わず、ただきつく縛っただけのフィニッシュです。久々に巻いたということもあるでしょうが、頭でっかちで、ハックルも折れてるし、悲しい毛鉤と相成りました。カケスちゃん御免!
そんな中、ここにコメントをくれる小次郎様がUPされた伝承毛鉤風毛鉤を巻いている動画を拝見させていただき驚きました。とにかく早いのです。一本巻くのに3分台。ちなみに僕は一本巻くのに概ね15分。つまりは僕が一本巻く間に小次郎さんは5本巻けてしまう計算です。
伝承毛鉤は日本の各地で限局的、かつ閉鎖的に用いられていた毛鉤たちですので、それらには何の脈絡も無さそうなのですが、必要な因子だけを抽出して一切の無駄を省いた毛鉤である点は総てに共通しています。伝承毛鉤を用いたのは職漁師ですから、如何に『経費』を掛けずして沢山の魚を釣るか?だけに固執してプロたちが切磋琢磨して出来上がって来た毛鉤たちが伝承毛鉤ですから、当たり前と言えば当たり前です。その『経費』の中には当然ながら労力も含まれています。職漁師たちの『簡単に巻け、しかも沢山の魚が釣れる』という毛鉤巻きの精神面からも小次郎様の伝統的なテンカラ釣りスタイルに敬服してしまいました。
というわけで、最近お休みしていた毛鉤巻きを再開しました(最近は糸作りばかりやってました)。伝承毛鉤は最近のフライマテリアルのような高価な物は使いません。せいぜい後半で孔雀が使われた程度です。ほとんどが山に普通にある素材を使って作られています。中には生活用品の廃品を組み込んだものまであったりして、職漁師たちの貪欲なまでの研究心には驚かされます。そしてその辺りにも簡単に専門の良い材料が手に入る我々が作った毛鉤には存在しない『味』と『粋』を感じずにはいられません。
画像はカケスの羽根をハックルに使った毛鉤です。カケスの羽根には綺麗なスカイブルーの色をした部分があります。その部分の羽根を使いました。伝承毛鉤でも、使い方こそ違っていましたがカケスが使われている物があります。実際、羽を手にとって見ると、ファイバーには案外適度な弾力があっていい感じでした。
で、出来上がったのがこれです。材料は、そのカケスの羽根、ゼンマイの綿毛、巻き糸およびアイとテールは総て絹糸です。セメントは使わず、ただきつく縛っただけのフィニッシュです。久々に巻いたということもあるでしょうが、頭でっかちで、ハックルも折れてるし、悲しい毛鉤と相成りました。カケスちゃん御免!
特にシャンクの曲がり具合やお尻にあたるところの紅がなんとも美しいです
こんな美しい毛鉤が生を受け、水中を舞えばきっとカッチョイイヤマメが『バシャン!』って出てくれますね!
とてもわくわくします
いつもコメントをありがとうございます。
いやはやなんとも。腕の悪さを羽の綺麗さで誤魔化しているのが見え見えの毛鉤です。
お尻の紅は・・・流石に小次郎さん、目の付け所が異常です(笑。アイから引っ張った絹糸なのですが、これがあると掛かりが良いように感じています(でも本当に微々たる違いかも)。黒部の職漁師も最初はテール無しでしたが、伝承されて来た後期のものはテールがあります。きっと魚が吸い込む時にお尻から入ってくれるようになるのではないか?と理解しています。
フライフィッシング(特にドライフライ)でのテールは主に水面での毛鉤の姿勢を保つ事がその大きな役割ですが、同じテールと言っても、テンカラの場合は姿勢を保つのではなく、掛かりを良くするのが主な役割になると考えています。こんなことからもやはりテンカラとフライは違うなぁ・・・と感じています。