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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

これは ヒイラギですか、アメリカヒイラギですか?

2020-12-12 10:32:43 | みんなの花図鑑
このまえ「日本にセイヨウヒイラギはあるのか」と、3つのクリスマス・ホーリーを取り上げましたが、きょうは そのつづきです。

クイズ形式で、いくつか 葉にトゲトゲのある木を判定してください。
「さっそく 第1問です!」

と行きたいのですが・・・

共通の予備知識をもつために、この前お借りした 紛らわしい4つの木の葉の比較図を再掲します。

(上の図は 荒木武夫氏:葉と枝による樹木検索図鑑「ヒイラギ ・セイヨウヒイラギ・ アメリカヒイラギ・ シナヒイラギ 」より引用させていただきました。再度、記して感謝申し上げます。)
最初のヒイラギだけ モクセイ科。
あとの3つは 何とかホーリーといって クリスマスの飾りつけによく使われる木です。ホーリーというのは モチノキ科のことです。
モチノキ科の3種は 原産地を名前にして セイヨウヒイラギ、アメリカヒイラギ、シナヒイラギとなっています。(名前が ヒイラギで終わっていますが ヒイラギモチを省略してヒイラギと呼んでいると思ってください)

また セイヨウヒイラギは クリスマス・ホーリー、 アメリカヒイラギは アメリカンホーリー、シナヒイラギは チャイニーズホーリーとも呼ばれます。ホーリーというのはモチノキ科 (Ilex) のことです。

で、今日のクイズは、この4つのうち 2つに絞ります。
つまり
「これは ヒイラギですか、アメリカヒイラギですか?」
という質問になります。

で、第1問のつづきです 「これは ヒイラギですか、アメリカヒイラギですか?」


答え
白い花が咲いていたようですね。今の時期に 白い花をつけるのは モクセイ科です。モチノキの仲間は 春先に花を付け、今の時期は赤い実をつけます。雌雄異株なので、もちろん雌株だけですが。
なので、ヒイラギか、アメリカヒイラギかと 二者択一なら、答えは 自動的に「ヒイラギ」です。



では、第2問です。
「これは ヒイラギですか、アメリカヒイラギですか?」

こんどは 白い花も赤い実もついてないので、これだけではちょっと難しいですね


めんどうだから答えを先に見ちゃいます。「ゴシキヒイラギ」って書いてあります。
【五色柊(ゴシキヒイラギ)】ヒイラギの園芸品種。鋭い鋸歯のある濃緑色の葉に、白色・クリーム色・黄色の細かい斑(砂子斑)が入る。



これは別のコーナーにあった「シマヒイラギ」というやはり斑入りの園芸品種ですが、花が咲いていました。
ヒイラギの花の特徴は おしべがたったの2本、最小構成ということです。
先ほど説明したように、今時分 こんな小さい白い花が咲いていれば、まちがいなくヒイラギです。モチノキ科(ホーリー)のほうは春先に花を付けます。



ここで、サルでもわかるヒイラギとモチノキ科(ホーリー)の判別法を教えちゃいます。
それは ヒイラギの葉は 対生ですが、モチノキ科(ホーリー)は互生だということです。
上の画像、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、一つの節から 両側に葉が出ていますね?!
対生です。よって、ヒイラギが正解です (^^)/



では、第3問です。
「これは ヒイラギですか、アメリカヒイラギですか?」

あっ、これ第2問と同じ色をしてる。ヒイラギの園芸品種じゃない?!
ぶーー!葉の色では 区別できませんよ (´v_v`)



別の角度から見てください。 互い違いに葉が出ていますよね。互生してます。これが 最大のヒントです(^_-)-☆



答えは アメリカヒイラギ(モチノキ科)でした。
名札に 「イレックス サニーフォスター」って書いてありますが、 イレックスは モチノキ属の属名、サニーフォスターは アメリカヒイラギ(学名は Ilex opaca)の園芸品種です。



参考までに、安城デンパークのアメリカヒイラギ 'サニーフォスター' 種です。葉っぱは緑です。
トゲトゲは セイヨウヒイラギと比べて 葉先のほう半分だけのことが多いようです。
モチノキ科の雌株なので ちゃんと赤い実がついてるでしょ(クロガネモチやシナヒイラギモチなどと比べるとつつましいですけど、アメリカではこのアメリカヒイラギモチが よくクリスマスの飾りつけに使われます)


クイズは 以上です。

おまけで、再度 クリスマスホーリーについて。

この前ウィキペディアから借用した セイヨウヒイラギ を再掲します。

これは間違いのないセイヨウヒイラギ(モチノキ科)です。
モチノキ科特有の赤い実がついていることもさることながら、葉の出方を見てください! ちゃんと 互生になってますよね! これでヒイラギの仲間ではなく、モチノキの仲間(ホーリー)であることが分かります。
ホーリーと分かれば、つぎは トゲトゲの付き方を見て 判別します。上の画像で分かるように、日本のヒイラギのトゲトゲに一番近いのが このセイヨウヒイラギ です。

ここからは 日本に多いシナヒイラギのお話です。

いま園芸コーナーに行くと こんなクリスマスホーリーがいっぱいおいてあります。



クリスマスの飾りつけに手ごろなトゲトゲの葉の付いた赤い実のモチノキ(ホーリー)だから おおらかに言えば?クリスマス・ホーリーで間違いではないのですが・・・



名札を見ると 「クリスマスホーリー (別名 セイヨウヒイラギ)」って書いてあります。たしかに 狭義のクリスマスホーリーとは 地中海沿岸に多いセイヨウヒイラギ(学名:Ilex aquifolium )のことなんですが、 鉢の中の木は シナヒイラギ(別名 ヒイラギモチ、チャイニーズホーリー、学名は Ilex cornuta)なので 名札と実物が食い違ってます。
園芸店で販売促進用に作られた名札は 時にこのように間違った情報をばらまいていることがあります(´v_v`)



シナヒイラギ(モチ)の原産地は中国です。葉も 四角張っていて学名通りコーナーに棘があるのが特徴です。



シナヒイラギは 3種のホーリーの中では 一番大きい実をつけます (^^♪
すっきりして クリスマスを迎えましょう。






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