アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

スズメよ、キツネよ - 田んぼの畦で

2021-04-14 10:09:00 | みんなの花図鑑
田んぼの畦には いろいろな動物が潜んでいますぞ (^_-)-☆


スズメノエンドウ

まず最初は スズメノエンドウ!



カラスノエンドウに対して それよりずっと小さいので スズメノエンドウ。



スズメノ「エンドウ」といいますが、マメ科の ソラマメ属。(カラスノエンドウも同じ)



花は 小さくても、ちゃんと マメ科の蝶形花のかたちをしています。



カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)

スズメノエンドウとくれば、お次は 当然? カラスノエンドウ。
スズメノエンドウを撮ったときと同じマクロ倍率で撮ってみています。



カラスノエンドウも エンドウとはいうが、マメ科ソラマメ属。
ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)が正式。
ヤハズ(矢筈)は弓矢の矢筈(弓矢の弓弦を受ける矢の根本の部分)に葉の先が似ていることから。



マメ科特有の蝶形花。 3種類の花弁があり、
一番目立つのが 虫に花があることを知らせる旗の役目をする旗弁。
下のより赤い弁が 虫が停まりやすくする翼弁。
翼弁の中に 花蕊を保護する舟弁があります。




アリさんが来ています。でも 花の中には入っていきません。
アリさんは托葉上にある黒っぽい部分を舐めているのです。
ここは花外蜜腺とよばれ、アリのためにカラスノエンドウがここに蜜を出しています。
何のために?
アリさんに 葉や花を食べてしまう虫が登ってこられないよう用心棒の役目をしてもらっていると考えられています。




スズメノテッポウ

もうひとつ、スズメ です。
水田雑草の スズメノテッポウ。
これは 横を向けて大写ししているから分かりにくいけど・・・




本来、スズメノテッポウの穂は 上を向いて立っています。
「語源 細く小さな花穂が上を向いて立ちならぶようすを鉄砲にたとえ、小さな鉄砲、すなわち雀の鉄砲と名がついた。」
(花の家「スズメノテッポウ」)



黄褐色のツブツブが おしべ。
白いほうのツブツブが めしべ。




手前が マメ科のシロツメクサ(クローバー)。




マメ科とイネ科では 当然のことながら 花の作りが全然違います。
マメ科の花は 虫媒花なので、花弁に嗜好を凝らし 虫に気づかれやすく止まりやすくしています。
イネ科の花は 風媒花なので 花弁がありません。袋に花粉を入れただけの雄しべを細い糸でつるし 少しの風が吹いても揺れ、花粉が飛びやすいように工夫をしています。黄褐色のが おしべ。 白いほうが めしべ。




キツネノボタン

同じく水田雑草のキツネノボタン。葉がささくれ立っています。



キツネノボタンとよく似た水田雑草に タガラシ があります。
パッと見、花の中心の球体が丸いのがキツネノボタン、楕円形なのが タガラシ。




キツネノボタンも タガラシも キンポウゲ科の 有毒植物です。



名前の由来は、金色に輝く花のかたちが学生服の金ボタンに似ているからかと思ってましたが、ほんとうは 葉のかたちがボタン(牡丹)に似ているところからだそうです。




ノミノフスマ

スズメ、カラス、スズメ、キツネと来て 最後は ノミ です。




ハコベの仲間に似ていますが、コハコベよりすこし花は大きいようです。それに 今田んぼの畦で咲いているのは このノミノフスマのことが多いですね。



名前の由来は「漢字で「蚤の衾」と書き、衾(ふすま)とは布団のことで、小さな葉をノミの布団にたとえたもの」(wiki)となってます。
花弁が10枚あるように見えますが、実際は 深く切れ込んだ5枚の花弁からなっています。




花弁が5枚、おしべも 5本。5数性ですね。



花弁の付け根、ギリギリのところで くっついてます。
花弁に乗ってる米粒みたいなのは 何でしょう??






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