今日は キク科のキク亜科の花の代表「キク」を取り上げて、花の構造についてのおさらいです。
(停まっているカメムシ君は Google Lens によると アオナガカスミカメムシ属とのことです)
カメムシ君が乗ってる花弁のようなところは キク科の花のばあい 花弁の一枚一枚が 舌状花という花で出来ています。
これに対し、左手の 黄色いシベの集団のように見える部分は やはり一本いっぽんが筒状花(とうじょうか、または管状花とも)というこれまた花の集合です。
キク科のキク亜科のグループの花は キクのように 筒状花と舌状花で構成されていることが多いですが、コセンダングサのように 筒状花だけで構成されていることもあります。
キク科のもう一つのグループが タンポポ亜科で、このグループの特徴は 頭花が舌状花だけでできています(タンポポやノゲシで それを確認しました)。
ひとつの花を上から見たところです。実際はたくさんの小花の集合ですから、花の集合をひとかたまりにして呼ぶときは「頭状花序」と呼んでいます。
中心の シベのような部分が 「筒状花」の集団。
外周の 花弁のような部分が「舌状花」の集合。
左側の花弁のような舌状花。花弁ではなく ひとつの花だという証拠に ちゃんとめしべがついています(画像の一番下の舌状花の付け根を見てください)。
舌状花
このキクの舌状花のシベは雌しべだけのようです。
中央の黄色の筒状花、いささか複雑な構造をしています。
筒状花
先端が Y字型に開いている器官が見えますが、これはめしべです。めしべの頭に 花粉が付いていますが、これは 受粉したのではなく 下のおしべの筒から雌しべが押し上げてきたものです。
おしべは複数の雄しべが合着して筒のようになっています(ストローのようになっているので管状花ともいいます)。
雄しべ筒の内壁に葯から花粉が出されるとそれを まだ頭の丸いめしべが 押し上げながら伸長し 筒の外に持ち上げるというわけです。
雌しべがおしべの管の中を貫いて花粉を押し上げるとき、まだ丸いめしべの頭には毛が付いているので 花粉を付着しやすいのだと思われます。
外に出て 成熟した雌しべは 頭をYの字型に割り、柱頭を成熟させ受粉態勢に入ります。
中央の小花で再度確認すると、やや褐色の部分が 雄しべ筒。その上に出て Yの字になっているのが めしべです。
ひとつの小花には ちゃんと花弁もあります。
ちょっと見にくいですが、雄しべ筒の周囲に 5角形にひらいた合弁花弁があります。
舌状花の あの大きな花弁状の器官は この花弁の一枚が肥大化したものと言われています。
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