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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

アメリカノウゼンカズラ - 5番目の雄しべ

2023-08-14 16:00:00 | みんなの花図鑑
6日目のつる性植物は アメリカノウゼンカズラです。
見出し画像は花冠の中を覗いたところです。


アメリカノウゼンカズラはノウゼンカズラによく似ていますが、花筒が長いのが特徴です。



ただし、今日のテーマ「5番目の雄しべ」はノウゼンカズラ属全般に言えることです。
花冠を覗いてみると雌しべと雄しべがあります。めしべは一番上の2つに開いた部分です。
その下に上下2組のおしべがあるのですが・・・
花筒の奥が深くておしべがどうなっているのか?よく分かりません。




花は受粉すると不要になった部分を切り離します。不要な部分とは 花弁とおしべです。
上の画像の上半分の花はみな 花弁と雄しべを脱落させて、萼片の中から雌しべの花柱だけが伸びているところです。




雄しべを観察するためには 下に落ちた花弁と雄しべの一体化したものを開いてみると分かりやすいです。
先述した「上下2組のおしべ」とはこのような状態のことをいっています。



花弁の基部から
別のアメリカノウゼンカズラで観察します。花弁を後ろにそらせてみると、花弁の基部から4つの雄しべが伸びているのが分かります。
もとい、 4つの葯をつけたおしべと もう一本 葯をつけていないおしべが伸びているではありませんか?!




葯をもたないけれど、これが第5番目のおしべであることは間違いありません。このように脱落して落ちている部分は花弁と雄しべなのですから。




アメリカノウゼンカズラや ノウゼンカズラは5数性で おしべも元々5本あったのですが、めしべを保護するように左右一組となってアーチを作るようになってから、奇数番目のおしべは用を足さなくなり退化してしまいました。
まったく種類は違いますが、トレニアの雄しべもこのような形態を示しています。



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