Webにはいろいろな辞典が載っている。
平成のはじめ頃までは、何かちょっと知りたいことがあっても、家で座ったまま簡単に調べることはできなかった。
図書館まで足を運ぶ、本屋でうろうろする、物識りに尋ねる、何か体を動かすか口を動かすか、そんなことが必要だった。
いまは、ことことと指を動かせば目の前に答が現れる。
望まずにやってくる情報は、半分ぐらい怪しいが、こちらから取り寄せに行く情報は、8割ぐらいは確かと見ている。
Webの辞典で、こんなものもというのが目に留まると、ブックマークには入れないがURLだけは控えてある。
そのなかにコーヒー辞典というのがあった。
http://www.coffee-jiten.com/knowledge/word/
いろは順なら「イタリアンロースト」あたりが出てくるのだろうが、ここでは50音で並んでいるので最初の項は「麻袋」、これを見てドンゴロスという布の種類を思い出した。
ドンゴロス、 dungaree cloth が詰まったのだろうか。
ダンガリー dungaree はインド産の粗製綿布、麻袋の材料も、麻袋もそう呼んだらしい。
麻でなくても、丈夫な目の粗い布はそう呼んだ。ざくざく布の粗末な衣服もそう呼んだ。
敗戦直後、着るもののないときに、古毛布で作ってもらった冬のズボンが、履いているうちに毛が抜けてしまい、地の粗布だけになり「これ、ドンゴロスか」と言われたことがあった。
着るものは全然気にしない、気にしてもどうにもならない時代だった。