年末年始のお休み期間中、テレビは歌謡曲やバラエティーの番組が目白押しです。
しかし私はその類の番組が全く苦手。
ジャズやロックにのめり込んで以来、紅白歌合戦にも興味を失い、中学一年生の大晦日(1968年)を最後に、ずっと観ていません。
そんなわけで、スポーツ観戦する以外の時間は、お気に入りのCDやDVDにどっぷりと浸かるのが今の私の年末年始の過ごし方です。
写真は『グレンミラー物語』のDVD(輸入盤)。
「ムーンライト・セレナーデ」「茶色の小瓶」「真珠の首飾り」「ペンシルベニア6-5000」「イン・ザ・ムード」などのヒット曲を1930年代から40年代にかけて連発した名バンド・マスターの生涯を映画化した作品です。
作品中で演奏される曲の数々は、ジャズに興味の無い方でも一度は耳にされているはずの大ヒット曲ばかり。
そして、ルイ・アームストロング、ベン・ポラック、ジーン・クルーパなど、1940年代に大活躍したジャズの巨人たち本人が出演している点も見逃せません。
個人的に一番好きなシーンは、第二次大戦に従軍したグレン・ミラーが、軍楽隊の中からジャズのフルバンドを編成し、爆撃機の基地へ慰問に訪れる場面。
大型爆撃機の前に設けられた特設ステージを若い兵士たちの大観衆が取り囲み、そこで演奏される「チャタヌガ・チューチュー」は圧巻です。
そして、私が好きなモダネアーズという四人組のコーラス・グループがグレンミラー楽団をバックに歌うのですが、彼らがまた巧い!
録音技術が発達していない時代、来る日も来る日も生演奏で鍛え抜かれて、ラジオでもステージでも一糸乱れぬ見事さでビシッと本番を決める、あの時代のミュージシャンたちの技量は驚異の一言です。
この時代のジャズは、「Vディスク」(勝利のVです)と呼ばれるSPレコードとなって、慰問品の一つとして世界中の米国陸海軍の前線基地に送られ、兵士向けのラジオ放送やパーティでガンガン流されることに。
そして、そのサウンドを耳にした米国以外の人たちからも愛されるようになるとともに、バンドの歌姫たちの中からペギー・リー、ジョー・スタフォードらのスター歌手たちが次々に生まれました。
終戦後の日本も例外ではなく、進駐軍が持ち込んだVディスクと彼らのラジオ放送を聴いて、多くのジャズ奏者とファンが生まれたのでした。
さて、今日の午後はオフ会の忘年会。
ジャズを聴きながら一仕事して、午後二時過ぎには中野に向かいます。