外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

銀行員の転職力

2011-06-09 22:17:34 | 大学野球
慶應が準決勝に進出しました。
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さて今日、同僚の1人が今月末で退職すると挨拶にきました。

彼は早稲田の政経学部から日本債券信用銀行(現在の、あおぞら銀行)に進みました。
日債銀が経営不振に陥った後に、米国系銀行を経由して、今の銀行にやってきました。

実は、私と彼は、米国系銀行でも同僚であった間柄です。
退職の理由を訊ねると「6年も働いたので、新しい銀行に移っつ気分転換するのも良いかなと思ったんです」
外資で生きる人間の1人として、自然に受けとめることのできる返答でした。
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金融業界は、1990年代以降、外資系が次々と日本の金融ビジネスに参入する局面において、その一方で多くの邦銀や証券会社は、人員削減と賃金カットを行いました。

それから約二十年が経過した今、東京圏に住んでいる人間に限った話かも知れませんが、金融業界は数ある業種の中で、最も労働力が流動化している、すなわち最も転職のチャンスのある業種の一つになっています。

私が大学を卒業した頃は、若くして銀行を退職するのは、司法試験などの難関資格を目指す者などを除けば、職場で深刻なミスをした、女性と問題を起こした等々、ろくでもないことをしでかしたのだろうと陰口を叩かれたものです。

例えば、業務で自動車を運転している時に人身事故を起こしてしまった後輩がいました。
彼は、私の母校・青山高校から東北大学を経て、同じ銀行に就職してきました。

彼は、社会人二年生の時に、信号を無視して車道に飛び出してきた子供をはねる事故を起こし、その直後に関連会社に異動となって、いわゆる出世競争から早々に脱落してしまいました。
優秀な男だったので、現在であれば他の金融機関に転職して、仕切り直しすることができたと思います。

でも、1980年当時の状況では、それができませんでした。

彼は、某シンクタンクで働いています。
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「銀行員の転職力」という本が出版されています。
著者は渡部昭彦さんです。
彼は青山高校で私の一年後輩でして、東京大学から日本長期信用銀行(現在の新生銀行)に。
長銀が破綻した後、コンサルティング会社を経営しています。
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私が大学を卒業した時には想像もできなかった状況となっている、金融の労働市場。
私が邦銀から外資の世界に飛び込んでから、もう14年目となります。

もちろん、とても厳しい成果主義の世界なので、「私のような者が、よくもここまでサバイブしてきたなぁ」と考えたりしています。
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業種によっては、今も外資の進出を拒んでいます。

しかし、個人レベルで考えた時には、外資進出により、仕事の選択肢が増えるというプラス面があることも忘れてはいけません。
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