今日と明日、東京六大学と東北地区から選抜されたメンバーによる、東日本大震災復興支援親善試合が行われます。
早稲田からは、次の7選手が選ばれています
投手:横山、有原、吉永
捕手:地引
内野:杉山、中村
外野:高橋直樹、
残念ながら私は行くことができなかったのですが、選手たちの元気溢れるプレーが、少しでも現地の方々に憩いにつながればいいですね。
そして、各校の選手たちが故障することなくチームに戻ってくれたらと思います。
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さて今日は、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の「それをお金で買いますか_市場主義の限界」(早川書房)を読みました。
あらゆるものが売りに出される現代社会を俯瞰しつつ、市場メカニズムと道徳との関係を鋭く論じる本です。
例えば、次のような「売り物」が紹介されています。
代理母による妊娠代行サービス(6,250ドル):欧米諸国の夫婦が、インドの女性に妊娠をアウトソーシングする
ニュージーランド航空が30名を雇い、彼らの頭髪を剃り、消える刺青で広告を表示した。
病人や高齢者から生命保険を買い取り、彼らが存命中は保険料支払いを代行し、彼らが死んだら、死亡給付金を受け取る投資スキーム
南アフリカで絶滅危惧種のクロサイを打つ権利(15万ドル):絶滅危惧種を育てるインセンティブを牧場主に与えるもの
それぞれ、売り手と買い手には相応のメリットがあり、どれもが合法的な取引です。
しかし、どれをとっても、読んだ後に複雑な気持ちとなってしまうものばかり。
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かたや、こんな実例も紹介されています。
スイスの核廃棄物処理場
スイスの山村の住民に対して、その村に核廃棄物処理場を建設するとしたら賛同するかと、連邦議会の調査団が質問しました。
すると、国民としての義務の意識がリスクに対する懸念を上回り、過半数を超える住民が賛同すると答えました。
続いて、住民1人ずつに連邦議会が補償金を毎年支払うと申し出たところ、賛成票が半減してしまった。
金銭的インセンティブが、住民たちの道徳観に水を差してしまったのです。
一方、金銭ではなく、公園、図書館、学校などの公共財による補償は、歓迎されることが多いということです。
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イスラエルで、医療活動に対する寄付金を集める活動を使い、実験が行われました。
高校生たちを3つのグループに分けました。
第一グループは、寄付の目的の重要性を説く短い激励メッセージを聞かされて、寄付金集めに出発しました。
第二グループ、第三グループも激励メッセージを聞かされて、加えて、集めた金額に応じて1%、10%の金銭的報酬を出すと告げられてから出発しました。
結果は、無報酬のグループが最も寄付金を集め、次いで10%報酬グループ、ドンジリは1%報酬グループでありました。
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イスラエルでは、保育園でも実験が行われました。
子供を迎えにくる母親たちに対して、決まった時限に遅刻した時に罰金を課すようにしたところ、遅刻者が倍増してしまいました。
母親たちは、罰金を遅刻の料金だと受けとめたのでし。
そして、12週間後に罰金制度は廃止されましたが、一度増えた遅刻者は減らなかったそうです。
ひとたび道徳的義務が蝕まれると、かつての責任感は簡単には回復しないということでしょう。
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市場原理主義の権化というべき米国系金融機関に7年間ほど勤務した経験を持つ私としても、ずいぶん考えさせられる本でした。
例えば、新商品の導入にあたっての営業体制の構築、逆に既存の金融商品の廃止、あるいは社員の雇用打ち切りなど、様々な場面を、金銭で短期間に解決していく米国企業のやり方は、邦銀出身者にとって驚きの連続であり、感心させられることも少なくありませんでした。
しかし、サンデル教授のような視点で見直してみると、複雑な気持ちも湧いてきます。
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朝から雷鳴が響く怪しい天気であったため、東伏見に行かず、私らしくない読書の1日となってしまいました。
このままでは寝つきが悪くなるので、一杯やりながら野球のDVDを観て、それから寝ることにします。
(;^_^A
早稲田からは、次の7選手が選ばれています
投手:横山、有原、吉永
捕手:地引
内野:杉山、中村
外野:高橋直樹、
残念ながら私は行くことができなかったのですが、選手たちの元気溢れるプレーが、少しでも現地の方々に憩いにつながればいいですね。
そして、各校の選手たちが故障することなくチームに戻ってくれたらと思います。
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さて今日は、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の「それをお金で買いますか_市場主義の限界」(早川書房)を読みました。
あらゆるものが売りに出される現代社会を俯瞰しつつ、市場メカニズムと道徳との関係を鋭く論じる本です。
例えば、次のような「売り物」が紹介されています。
代理母による妊娠代行サービス(6,250ドル):欧米諸国の夫婦が、インドの女性に妊娠をアウトソーシングする
ニュージーランド航空が30名を雇い、彼らの頭髪を剃り、消える刺青で広告を表示した。
病人や高齢者から生命保険を買い取り、彼らが存命中は保険料支払いを代行し、彼らが死んだら、死亡給付金を受け取る投資スキーム
南アフリカで絶滅危惧種のクロサイを打つ権利(15万ドル):絶滅危惧種を育てるインセンティブを牧場主に与えるもの
それぞれ、売り手と買い手には相応のメリットがあり、どれもが合法的な取引です。
しかし、どれをとっても、読んだ後に複雑な気持ちとなってしまうものばかり。
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かたや、こんな実例も紹介されています。
スイスの核廃棄物処理場
スイスの山村の住民に対して、その村に核廃棄物処理場を建設するとしたら賛同するかと、連邦議会の調査団が質問しました。
すると、国民としての義務の意識がリスクに対する懸念を上回り、過半数を超える住民が賛同すると答えました。
続いて、住民1人ずつに連邦議会が補償金を毎年支払うと申し出たところ、賛成票が半減してしまった。
金銭的インセンティブが、住民たちの道徳観に水を差してしまったのです。
一方、金銭ではなく、公園、図書館、学校などの公共財による補償は、歓迎されることが多いということです。
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イスラエルで、医療活動に対する寄付金を集める活動を使い、実験が行われました。
高校生たちを3つのグループに分けました。
第一グループは、寄付の目的の重要性を説く短い激励メッセージを聞かされて、寄付金集めに出発しました。
第二グループ、第三グループも激励メッセージを聞かされて、加えて、集めた金額に応じて1%、10%の金銭的報酬を出すと告げられてから出発しました。
結果は、無報酬のグループが最も寄付金を集め、次いで10%報酬グループ、ドンジリは1%報酬グループでありました。
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イスラエルでは、保育園でも実験が行われました。
子供を迎えにくる母親たちに対して、決まった時限に遅刻した時に罰金を課すようにしたところ、遅刻者が倍増してしまいました。
母親たちは、罰金を遅刻の料金だと受けとめたのでし。
そして、12週間後に罰金制度は廃止されましたが、一度増えた遅刻者は減らなかったそうです。
ひとたび道徳的義務が蝕まれると、かつての責任感は簡単には回復しないということでしょう。
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市場原理主義の権化というべき米国系金融機関に7年間ほど勤務した経験を持つ私としても、ずいぶん考えさせられる本でした。
例えば、新商品の導入にあたっての営業体制の構築、逆に既存の金融商品の廃止、あるいは社員の雇用打ち切りなど、様々な場面を、金銭で短期間に解決していく米国企業のやり方は、邦銀出身者にとって驚きの連続であり、感心させられることも少なくありませんでした。
しかし、サンデル教授のような視点で見直してみると、複雑な気持ちも湧いてきます。
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朝から雷鳴が響く怪しい天気であったため、東伏見に行かず、私らしくない読書の1日となってしまいました。
このままでは寝つきが悪くなるので、一杯やりながら野球のDVDを観て、それから寝ることにします。
(;^_^A