それは一冊のアルバムに無造作に挟まっていた。
私の幼い頃の写真が見たいという娘。
実家に帰った折、母と弟と娘と色あせたアルバムをめくる。
私のだけでなかった。
父が若い頃のもの。
弟たちのもの。
そして母が初めての海外旅行をしたときのもの。
海外旅行は、私が懸賞で当てたものだった。
当時17歳だった私は特賞でなく買物券が欲しかった。
けれど“18歳以上”という応募条件…母の名前をかりた。
その結果がパリ旅行!
私の幼い頃の写真が見たいという娘。
実家に帰った折、母と弟と娘と色あせたアルバムをめくる。
私のだけでなかった。
父が若い頃のもの。
弟たちのもの。
そして母が初めての海外旅行をしたときのもの。
海外旅行は、私が懸賞で当てたものだった。
当時17歳だった私は特賞でなく買物券が欲しかった。
けれど“18歳以上”という応募条件…母の名前をかりた。
その結果がパリ旅行!
「あらまあ、写真…ちゃんと整理したんだねぇ」
母は自分に感心したようにつぶやきながら当時を懐かしむ。
そのアルバムに写真とともにあったのは4通の手紙だった。
母に内緒で、父と弟たちとで鞄にそっとしのばせた。
それは私の提案だったらしい。
それぞれが母を想い、
初めての長い不在をちょっぴり不安に思い、
何よりも楽しい旅を願っていた。
上の弟は五円玉を貼って、パリでもご縁がありますように…と。
下の弟は短くてストレート。
そして父は素直に…そう本当に素直な気持ちを、
クセのある字にしたためていた。
口数の少ない父だけれど、やっぱり優しさにあふれているんだ…と
涙で文字がゆらゆらして笑おうとしたけれどだめだった。
夕陽が差し込む和室で過ぎた温かな“時”。
母に内緒で、父と弟たちとで鞄にそっとしのばせた。
それは私の提案だったらしい。
それぞれが母を想い、
初めての長い不在をちょっぴり不安に思い、
何よりも楽しい旅を願っていた。
上の弟は五円玉を貼って、パリでもご縁がありますように…と。
下の弟は短くてストレート。
そして父は素直に…そう本当に素直な気持ちを、
クセのある字にしたためていた。
口数の少ない父だけれど、やっぱり優しさにあふれているんだ…と
涙で文字がゆらゆらして笑おうとしたけれどだめだった。
夕陽が差し込む和室で過ぎた温かな“時”。
そこだけがあの頃にタイムスリップしたような、
映画のワンシーンのような、
何とも不思議な感じを覚えたのでした。
☆あの頃私は反抗期だったんだなぁ
映画のワンシーンのような、
何とも不思議な感じを覚えたのでした。
☆あの頃私は反抗期だったんだなぁ
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