こちらはGW中に本屋で見かけて衝動買いしてしまったものです。
なにより素朴な表紙の絵に惹かれてしまった!
村上春樹の新作「猫を棄てる」。
タイトルも衝撃的!!
猫好きには見過ごせないよね。
そもそも村上春樹も猫がいないと生活できないほど猫好きだったはず。
なのになぜ?とますます気になってしまった。
村上春樹の長編小説を読むのは勇気がいるのだが、
短編とエッセイや紀行文が大好きな私にとって、
この本の手軽さは迷わずレジへ直行させられた。
中身は村上さんのお父様について書かれたエッセイです。
数々の村上氏のエッセイを読みましたが、
親について書かれたのは初めてではないかしら?
なだけにすごく興味津々。
もうすでにお父様は亡くなられていて、
村上さんもどう出だしを切り出してよいのか悩まれたそうです。
長い間絶縁状態にあったわけですから、
それをあえて文字にするのですからそりゃそうだろうと思います。
親子というのは非常にデリケートな間柄ですから、まぁわかります。
猫を棄てるというのはお父様との間の思い出の一コマだったんですね。
それにしてもお祖父さんについても書かれていますが、
僧侶だったなんてめっちゃ驚きでした。
お父様が行かれた戦争のことなどわかりにくい場面もありますが、
やはり全体を通して、特に出だしからも非常に読みやすい。
相変わらず耳に心地よい音楽のような文章です。
これだから村上春樹は好きなんだって、思う本でありました。
すごく懐かしい雰囲気がする刺し絵がまた魅力的です。
台湾のイラストレーターさんのようでありますが、
日本の昔の家屋や見たこともない昔の海辺の風景など素敵です。