タイトルにひかれて久々ジャケ買いした小説です。
山内マリコさん、初めて読む作家さんです。
が、めっちゃ面白かったー。
なんだろう、とても話が読みやすくて先が気になって、3日で一気読みしてしまった。
一人の男性を挟んで出会う二人の女性が出てきます。
物語はそれぞれの女性目線で彼女らの人生が語られるんですが、
二人は対照的ながらも根っこで思うところは同じというか、共感できるところがいっぱい。
東京人と地方出身者の対比も面白い。
主人公の一人華子がお見合いのために、
東京にあるラグジュアリーホテルを片っ端から渡り歩くんですが、
その都度ホテルのラウンジなどHPで見てて面白かったです。
ウェスティンやマンダリンのアフタヌーンティーなど行きたくなりましたね。
このタイトルの「あのこ」って、主人公等が好きになる男性のことじゃなかろうか。
貴族とまではいかなくてもやんごとなき一族であることは間違いないし、
なんか読んでて、あー、やな感じって思ってしまった。
ほとんどの日本人男性はこうである部分が多いとは思うけれど、
結婚したら「奥さんをケアしない」という。
逆に主張しない日本女性もよくはないけれど。。。
この本を読むと結婚なんかしたくなくなりますね。
私もあまりにも共感してしまいました。
主人公たちはこの男と一方は離婚し、一方はきっぱり分かれて、
その後どちらも独立して一層輝きながら仕事をするのでした。
また文中で出てくる文楽「心中網中島」の女の義理の話。
なるほーどー、女の友情は薄いと聞いたことがあるけれど、
これを聞くとあまりにも「女の義理」がかっこよすぎて、
どちらの主人公も素直に応援したくなります。
また主人公のお友達の相良さんや平田さん、それぞれもかっこいいのです。
映画化にもなってるので、ぜひ見たい(映画館で見たかったな)とこ。。。