紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

船岡温泉、到達!

2006-05-05 21:23:36 | おでかけ
 きのうより続きます。

 北山から大徳寺まで結構な距離を二人で歩いて、歩き慣れていないKちゃんは、だんだん不機嫌になってきた。
 が、京都は歩いてこそのまちだと信じている私は、表通りも裏通りも気の向くままに歩きたい。それに例えば歩いているからこその発見もある。

 普通のお家の屋根に乗った瓦の「えんまさま」と
     ↓       石の「えびすさま」↓

道を聞いた後、「建勲神社」の石段でひとやすみ。緑の木陰でぼんやりし、しばし鋭気を養う。再度歩き始めたら、いかにも京都な英会話教室を見つけた。玄関に下げられた大きな提灯には、太く黒い字で「英会話」と大書され、その字の両側に赤字で「ふぁんふぁん」「+A」と書かれていた。(写真をクリックしたら拡大できます)



 静かでいいお天気の昼下がりに、京都の民家が連なる一般の通りは人通りも少ない。ともかく風情のいいところを狙って進んで行くと、ついに発見。
 こんもりと緑に覆われた『船岡温泉』の入り口。ご近所の方々の生活銭湯なので、入り口付近には自転車がいくつも停められている。ひとむかし前の銭湯らしい気概を、入り口からも感じる。

 「船岡温泉」は、昨年図書館で借りた町田忍/監修・Sento Style推進委員会/編『銭湯読本』(アーティストハウス・パブリッシャーズ)の中で見つけた。大砲を撃つ兵隊さんを描く珍しい欄間をはじめ、番台にも脱衣所にも凝りまくった欄間の数々がある。お風呂場には小さいながらも「中庭」も「露天風呂(岩風呂)」もあり、レトロなタイル(マジョリカ・タイルというらしい)が40歳の乙女心をくすぐる。下駄箱や脱衣所のロッカーも、レトロな味でうっとり。他にも細かいところで意匠が凝らされており、きょろきょろ状態だった。
 この銭湯の素晴らしさを伝えてくれるHPもあったので、ぜひ見ていただきたい。http://www.sairosha.com/meisento/kyoto-k.htm

 ついさっきまで歩き疲れて超不機嫌だったKちゃんは、大の温泉好き。ひのき風呂、アワ風呂、薬湯、露天風呂、と顔に汗を浮かべながら制覇していき、にこにこと口数も増えて来る。
 祝日の午後2~3時という中途半端な時間なので、地元のお客さんも数える程。うまくいけば浴槽貸切状態。露天風呂貸切状態なんかは落涙しそうに嬉しかった。お風呂上がりには、見たことも無いメーカーの壜サイダーなどを飲む。それも80円とか90円。安い。

 お風呂上がりの至福の心持ちで、元来た道を逆方向に、のんびりにこにこ歩く。気分はもう旅人。近場日帰りでなく、ほぼ、「心は宿泊予定あり」になりきっていた。

「おかーさん、なんか私、お肌すべすべになったみたいや!」と感動の銭湯体験をしたKちゃんは、上機嫌である。これで、たどり着くまでの苦労が報われたというものである。もちろん帰路は、最寄りのバス停でバスに乗り、地下鉄に乗り継ぎJRで帰りました。