紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

憧れのケーキ屋さん その1

2006-05-21 21:10:23 | お買いもの
 Kちゃんが幼稚園の頃、ケーキ屋さんに憧れていた。

 幼稚園と週に一度いく絵画教室のライン上にある、隠れ家のようにひっそりと佇む小さなケーキ屋さんがある。そこでは童話にでてくるような、真っ白な髪をシニヨンにした、とても上品で明るい老マダムが手作りでこだわりのケーキを焼き、小さなショーケースに並べておひとりで切り盛り(というには、あまりにも瀟酒で上品なのだけれど)されている。

 公園のそばの「チェリー」という、ちいさなちいさなケーキ屋さんだ。もうそこには、ずいぶん行っていない。また行かないと、と思いつつも、かつかつの時間をやりくりしなければならず、立ち寄れないままになっている。

 そのお店には、ショーケースの上にご試食用のトレーがあり、いくつかの種類のケーキピースが並べてある。お店に行くと、まずご試食のおすすめをしてくださる。

 ケーキを選んでしまうと、Kちゃんは売り場のマダムに呼ばれて、計算とレジ打ちと、箱詰と、シール貼りと、おつりとレシート渡しとのお手伝いになる。最後に「ありがとうございました」とお客さん(お母さん)に言ってくれる。

 そして時間が許せば、わずかなフロアの半分を占める丸いいっこのテーブルについた椅子に座り、老マダムにいれていただいた美味しい紅茶をゆったりといただくこともある。紅茶は老マダムのサービスである。彼女はとても楽しそうに、かつ知的にお話しされる。髪は白いが表情はお若い。

 ノーブランドで個人経営の、こういうお店がとても好き。しかもかなり美味しいうえに、お手頃価格である。この世知辛い世の中に、オアシスのようなこんなケーキ屋さんがまだあるのだ。