紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

密談?!選書会議

2006-05-26 21:54:48 | おしごと
 仕事でわくわくするときって、いうまでもなく本が納品されるときだけど、選書会議の日もいつもよりずっと、朝から気合いを入れて出勤する。

 ウチの選書会議は楽しい。頭から尻尾まで本の内容に関する話になるので、しゃべりたい事だらけの上、私以上に本好きで豊富な知識を持ったスタッフ(図書室勤務ではないけれど)がミーティングの主要メンバーなので、その楽しい事ったら!「笑い」と「へえ~」がたっぷり詰まった2時間になる。 

 回覧で発注リストにチェックが入った本を、少数メンバーで吟味しなおし捌(さば)いていく。買うべきか、買わざるべきか、の攻防が繰り広げられるわけだが、至って場は和やか。和気あいあいといっていい。

 「これは落とそー」「でも次のこれはウチには絶対必要っ!」「この本入ったら、読んでみたい~♪」「これ桁違ってるの?ってくらい高いんやけど、なんで?」「復刻版ですから」「学術書ですから」「何でこの本、こんなに安いの?」「ブックレットですから」「新書ですから」「フリーダ・カーロって、どんな人やの?」「メキシコの女性画家で、若い時に大けがをして、夫の浮気に苦しんで・・・(知ってる事を洗いざらいしゃべるまくる)」「へえー」「この人、ルャ泣^ージュやのに、何書いてもいっつも浅くて人の話聞いて終わりやん。もう、買わんでいいん違う?」「同感、落としましょう♪」

 たまにタイトルの付け方についても話が弾む。「こんな堅い題名付けたら、誰も読もうて思わへんで」という時もあれば、「このタイトルはあんまり(読者に媚びてるの)と違う?」というのがある。

 今回は『男女交際進化論「情交」か「肉交」か』(集英社新書 中村 隆文/著)に白熱した意見交換が交わされた。内容は至ってまじめな近代の男女交際の変遷であり、男女交際に関わる言葉の意味の数々がトリビアルに解明される本らしい。
 女性には「あまりにスケベ心を刺激するタイトル」とヒンシュクを買い、まじめな男性には「興味があっても手に取って、レジへ持って行く(図書室のカウンターに差し出す)勇気がないです」という、考えてみれば可哀想なタイトルの本だった。

 会議というものは概してつまらないものだけれど、出席者が平等に発言でき、妙に頑(かたく)なな人物さえいなければ、流れるように話が進んで、意外に楽しいものだと思う。

 すべてノーチェックで購入できるより、キビしい?チェックの網をくぐり抜けて発注にたどり着けたら、そっちの方が、もっとうれしい気がする。

右肩あがり

2006-05-26 10:49:22 | ノンジャンル
 カウンターのアクセス数「3456」を踏んだ方、おめでとうございます!
これからの人生、右肩あがりですよ、きっと。

 それから5月26日午前2時~9時まで、メンテナンスで見られなかったようです。お越し下さったのに見られなかった方、ごめんなさい。

憧れのケーキ屋さん 番外編

2006-05-25 22:51:36 | お買いもの
 私が子どもの頃、具体的にいえば昭和40年代なのだけれど、ケーキは本当にスペシャルな食べ物だった。お誕生日かクリスマスだけのものだった。

 まず『ケーキ屋さん』がない。ショートケーキもなく、ワンホール単位のデコレーションケーキのみで予約注文制。もちろんバタークリーム・オンリー。たぶんパン屋さんで買うものだった。たぶん、というのは親がどこから調達してくるのかを聞いた事がないので、正確なところわからないからだ。もしかすると駄菓子などを売る小売店だったのかもしれない。

 私が小学校で初めて友達になった女の子は、8人兄弟の7番目だった。彼女の最年長のお兄さんが、すでにパン屋さんに就職しており、クリスマスの日にはタダでクリスマスケーキを複数持って帰ってくれる、という話を非常に印象深く聞いたので、ケーキはパン屋で買うものだ、と信じてしまったのだろう。

 そんなスペシャルな食べ物のCMは、子ども心に多大な影響を与えた。

 日曜の夜の、『オバケのQ太郎』よりスタートした藤子不二雄劇場のアニメシリーズのスャ塔Tーは、韻を踏んだのか、洒落っ気なのか「不二屋」だった。スタートから成長の歩みを共にしていた私にとっては、藤子不二雄先生と不二屋は一心同体だった。不二屋のCMと『パーマン』や『怪物くん』は切っても切り離せない。思い出す時も画面一杯の不二家のマークに続いて、テーマソングがスタートするという大成功な刷り込みなのである。
 そして「不二家のお店にきてね♪」という音声を聞くたび、「行きたいんやけど、どこにあるんや?」と、逆に問いただしたい思いに駆られていた。

 そんな「不二家のお店」はしかし、実物との出会いまでにはずいぶんな時間を要した。高校生になり京都に通学するようになって、初めてテレビで観た「不二家のお店」をみつけて感動したものである。

 それでも今では市内の駅前まで行けば「不二家のお店」で「スペシャル・ストロベリー」とかも簡単に買えるようになったのだから、かつてから考えれば夢のような話である。

 しかし! 出会いもないままに消えて行った、もうひとつのお店がある。

 同世代の方はすでにお気づきかもしれない。
 そう! あの哀愁を帯びたメロディーのCMソングでおなじみだった「♪おとぎの国のロシヤが運んで来てくれた『パルナス』」である。唄っているのは中村メイコさんとボニージャックスだそう。ビッグだ。
 しかし、かつて日曜・午前中のアニメのスャ塔Tーをし、日本の子どもたちに多大なインパクトを与えた「モスクワの味」はもう「幻の味」となってしまった。どうやら「パルナス」は21世紀を見る事なく散っていったようである。

 それでも一部の日本人に染み付いた「パルナスのうた」は、そう簡単には消えやしない。
 2003年11月に大阪にやって来た「モスクワ・アカデミー合唱団」はそんな日本の人々に心温まる「パルナスのうた」をプレゼントしてくれたそうだ。本場モスクワの合唱団による「パルナスのうた」を聴く。なんと贅沢な事だろう! その場にいたラッキーな方々は一生ものの思い出を作ったに違いない。

 彼らの演目に「パルナスのうた」が入っていたのは、大阪公演だけだったのは、なぜだろう?と、とても不思議だったけど、「パルナス」って近畿圏だけで流れたCMだったんですね。そうかー、関東では???な話題だったんだ。重要な情報をありがとうございます、braryさん。

 このブログを書く前に、参考資料をネットで漁っていたら、こんなHPをみつけました。オリジナルの「パルナスのうた」も聴けます。「モスクワ・アカデミー合唱団大阪公演レメ[ト」も読めます。どうぞ、存分に「パルナス・ワールド」にご耽溺ください。↓
http://www.ceres.dti.ne.jp/~toyoura/parnus/

朝食の密度

2006-05-24 23:09:25 | ファミリー
 今日は朝のFMラジオから、ドヴォルザークの『新世界より』が流れていた。子どもたちが出かけてしまった後の、ほんの10分ほどの夫婦の朝食の時間。子ども抜きで過ごす貴重な時間である。

「『新世界』って、特に巧い!ってことも、キレイなことも、おお~ってところもなくて野暮ったいし、なんか隙だらけやし、評論家は『土臭いですね~』っていってるような曲なんやけど、なんでか、ええなあ。どこがええんやろ?」
「聴いてると、元気がでるんちかう?」
そうかも。確かに素朴な人に背中をたたかれて、励まされるような気はする。

 いつもは朝刊のいしいひさいち作『ののちゃん』に目を通すのが日課なのに、今日はみていなかったな。

 4コマまんがは、見ているアングルによって受け取り方が違ったり、理解できなかったり、思わぬ発見があったりするので、ひとりで読むより、はるかに面白い。お互いの感じ方の違いを改めて発見することも、ある。

 オチやストーリーの流れより、絵そのものに笑いが凝縮されていると、「この表情!!」「ほんまや!」と盛りあがってうっかりくつろいでしまい、仕事に遅れそうになることもしばしば。(あかんやろ!)その辺の面白さは外さないな。

 『新世界より』を聴きながら、ご飯を食べ終わる。
 そういえば昔、毎日毎日ドヴォルザークの『チェロ協奏曲』を聴いていた。ロストロメ[ヴィッチのチェロ、小沢征爾の指揮、ボストン・オーケストラの最上級に素晴らしい曲。繰り返し聴いたので、頭の中で自然にその曲が流れ始め、うっとりする。

「ドヴォルザークの『チェロ協奏曲』が、ものすごく好きやの」
 言い終わるか終わらない内に、すかざす大いに同意してくれて、びっくり。ええーっ、そうやったの? 

 そういえば、伊坂幸太郎さんの『死神の精度』にこんな科白があったな。

「自分と他の人が同じ事を考えたり、同じ事を言ったりするのって、すごく幸せに感じるんですよ」

 うんうん! というわけで、久々、幸せな一日だった。

男前ゲット!

2006-05-23 21:22:35 | お買いもの
 最近KちゃんはJ-POPに凝っている。
突如ラジカセ!(テープとCDが聞ける旧式のオーディオ機器)が欲しいと言い出したのが先月。「TSUTAYA(つたや)に連れてって!」とおねだりしたのが昨日。ほぼ新譜CDばかりを7つばかり借りる。ついでになぜか「朝読書用」として、『生協の白石さん』を買わされる。

 「Kちゃん、知ってる? 〔蔦屋〕(つたや)って、江戸時代の本屋さんの名前やったんやで」と、蘊蓄を披露しながら出口のドアを出ると。がちゃぽんの一個に目が止まった。

「男前豆腐」シリーズのがちゃぽんが、やけに目立っている。「男前豆腐」といえば、昨年フィーバーしたお豆腐関係食品のブランドである。
 しかも最近知ったのだが、「実録男前」シリーズを近くのスーパーで見つけ、昨今贔屓にしている。「実録」ものは京都でつくられたもので、いままでのシリーズより、ずっとお安い。ためらうことなく買い物かごに入れられるのが、うれしい。

 ということで、世間はどうだか知らないが、やっと気安くお付き合いできるようになったマイブームの「男前豆腐」である。これはもう、やらんとあかんでしょーと「男前豆腐がちゃぽん」、やるき満々な私。
 「おかーさん、してもいいけど、早い事ね。私、恥ずかしいし」とKちゃんがささやく。

 100円入れて、ダイヤルを回す。・・・ん? 途中までしか回らない?
返金ダイヤルを回し、やりなおし。これを3回繰り返したら、返金すらできなくなった。おいおいATMの暗証番号じゃあるまいし・・・。100円カムバック!

 仕方なく恥を忍んで店員さんにヘルプを願い出た。見習いの女性店員さんはベテランの店員さんを探してきて、若い男性店員さんの登場となる。慈悲深い彼はがちゃぽんの屋根を、かぱっと外して、「『これ欲しい!』、っていうの、ありますか?」
 私は迷わずすかさず、『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』を指名する。

 彼は一生懸命探してくれたが、なかなか見つからない様子だったので、「なければ『やっこ野郎』でもいいですう」と妥協ラインを提示する私。が、根気よく探してくれた店員さんは、ふいに喜びの声をあげた。
「ありましたーっ! これですねっ?」と自分の事のように喜んでくれ、カプセルを差し出してくれる。ゲームの最終章で最強アイテムを手にしたような感激。「これです! これ!」

 始終恥ずかしそうに佇んでいた娘を尻目に、ご機嫌な♪おかーさんは、意気揚々と引き上げたのでした。