花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

守ったのは種差の豊かな自然!

2011年07月06日 | 学校
種差海岸のサクラソウの自生地です。
今まで土壌のECや硝酸イオンなどを測定してきましたが
場所によってはかなりの塩類の存在を感じられます。
しかしサクラソウが再生してきたのはなぜでしょう。
今回は土壌ガスサンプラーを使って自生地の
土壌の酸素濃度を測定してみました。
心配していたとおり土壌10cmは酸素濃度が極端に少なく
海水をかぶった痕跡が残っています。
根の浅い植物はなかなか生育しずらい状態だと想像できます。
ところが驚いたのはその後です。
普通は地下深くなるほど酸素濃度は低くなるのですが
自生地は逆で20~40cmまでは20%以上の十分な酸素濃度です。
どうしてでしょう、チームはこう考えました。
この自生地は毎年植物が生えては枯れていきます。
つまりこの土壌は畑と違い厚い腐葉土の層なのです。
だからいくら地表が塩害を受けて隙間のない酸欠土壌になっても
奥深くはまだ空間のある部分がたくさん残っているのです。
この豊かな自然が育んだ土壌でサクラソウは守られているのです!!
とはいってもこの時期一面に咲くニッコウキスゲの数も
例年の半分以下だそうです。
死滅こそ免れましたが塩害の被害は確実に残っています。


コメント (2)

Many Thanks!

2011年07月06日 | 学校
土壌の中の酸素濃度を測定する土壌ガスサンプラーです。
津波被害を受けた農地などの状況を
科学的に調査するのに欠かせない高価な機器です。
この測定器はメーカーがチームのために貸して下さいました。
しかし土壌水分が高い場所で測定すると
酸素濃度センサーにつながる管に水分が入ってくる恐れがあります。
知らずに使って電子機器を壊してしまうと大変なので
途中に水分が管には入らないようにフラスコを入れることにしました。
しかし接続するのにちょうど良いガラス管がありません。
すると今度は生物工学の先生が作ってくれました!
このようにチームはたくさんの方のご協力を得て活動しています。
本当に感謝です。
コメント