花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

本家本元!!

2018年11月23日 | 学校
今から10年前、日本は空前のクリスマスローズブームでした。
クリスマスのバラという素敵な名前と
播種から花が咲くまで3年もかかるということもあり
価格は高騰し、記憶では一鉢数万円にもなりました。
しかし花はファッション。トレンドの中で生きる商品なので
今では当時ブームの乗った素人の熱はすっかり冷め、
現在は一鉢500円〜数千円で買えるようになりました。
しかしながらクリスマスローズは今も玄人好みの花として愛好家がたくさんいます。
理由の一つが同じ花がまず二つとしてないことです。
なぜなら大ブームになったのはオリエンタリスという色とりどりのグループ。
しかし全てが雑種で品種というものがありません。
だから自分の花と他人の花を比べては独特な色形を楽しんだり
どんな花が咲くのか楽しみながら数年かけて育てることができるのです。
近年、バイオテクノロジーの力でクローンが作られるようになり
安定して同じ花を手に入れられるようになりましたが
やはり玄人は「世界でひとつだけの花」であるハイブリッドを愛しているのです。
そんなマニアックな世界ですが忘れてはならない人気の花があります。
それがこのニゲル(ニガー)という原種。
ブームになったオリエンタリスは温室で育ても
クリスマスなんかとっくに終わっている1〜2月頃に咲きます。
しかしこのニゲルだけはちゃんとクリスマスの頃に咲くのです。
なぜならクリスマスローズとは、
このニゲルという原種につけられた名前だからです。
色とりどりのオリエンタリスも華やかですが
この本家本元である純白のニゲルも清楚でとてもきれいなものです。
クリスマスローズは思ったより増やすのも管理も簡単。
買いやすい価格になった今こそ、楽しんでみてはいかがでしょうか。
さて今週、青森県の南部町にとうとう初雪が降りました。
クリスマスローズの季節到来です。
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妙丹柿の渋ぬき

2018年11月23日 | 生物生産科
生物工学実験室で妙丹柿を見つけました。
これは懐かしい真空パックによる渋ぬき法ではありませんか。
今から7年ほど前、チームはこの柿に紫外線を照射する脱渋法を開発し
京都大学で開催されたアイデアコンテストでグランプリを受賞しました。
その後、このニュースをご覧になった県内外の地元の加工業者さんから
この技術を使わせて欲しいとの依頼を受けました。
使ってもらうことは嬉しいのですが、紫外線のため色が黒くなるのが
欠点だったため、地元業者さんには1ケ月ほど待ってもらいました。
そこで短期間で再開発したのがこの真空パックで渋を抜く方法。
酸欠になることで渋が抜けるという原理を応用したもので
今度はきれいな黄色のまま脱渋に成功しました。
そこでこの新しいアイデアを業者さんに紹介するとともに
チームは他の研究が佳境に入っていたため、生物生産科の生物工学班に
さらなる研究を依頼してバトンタッチしました。
するとさすがは機材がそろっている生物工学班。
何度で加温するとどれぐらいの時間で抜けるかを数値化しました。
チームの思いつきが技術になった瞬間です。
その後、業者さんは生物工学班と連携して
今までなかった妙丹柿のお菓子を開発し、
今では駅などでこの地域ならではのお土産となっています。
そんな生物工学班がまた柿の実験を始めました。
今度はどんな改善が行われるのか楽しみです。
さて今日はそんな思い出深いコンテストが京都大学で開催されます。
どんな楽しいアイデアが飛び出るか楽しみです。
柿のお菓子の紹介HPがあるのでご覧ください。
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