花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

誰のため

2023年05月11日 | 学校
名久井農業高校には名農生の活躍を紹介するサインボードがいくつかあります。
代表的なのが正門脇の3段の横看板。
大きなタイトルを受賞すると地域の方々に知ってもらおうと掲示されます。
当然、古いものはその都度取り替えられるのですが
このボードだけはずっと変わらず残っています。
それが環境研究班Treasure Huntersがストックホルム青少年水大賞で
大賞を受賞した際に作られたサインボードです。
場所を考えてくださったのは当時の校長先生。
しかし不思議なことにこのサインボードは、
学校前を通る方々から見える場所にはありません。
つまり名農生の活躍を地域の皆さんに伝える目的ではないのです。
では誰に対するものなのでしょう。
直接伺ったことはありませんが、おそらくこれは名農生に対するもの。
「彼らに続け!」という強いメッセージを感じます。
幸か不幸かこのサインボードは環境班の本拠地である馴化温室前にあります。
直属の後輩であるFLORA HUNTERS AQUAこそ、奮い立ってほしいものです。
さて今日と明日、地域の皆さんが待ちに待った野菜苗販売が行われます。
全校生徒で取り組むため、明日の課題研究はありません。
苗の品質には自信あり。皆さんのお越しを名農生一同お待ちしております。
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月のウサギを驚かせよう

2023年05月11日 | 研究
これがFLORA HUNTERS AQUAの女子が一人で製作した水耕栽培装置。
もちろん実験用なのでそんなに大きくありませんが、売りは蒸発抑制能力。
一般的な水耕栽培は、簡単にいえば水面に植え付けボードを浮かべている方式。
また空気を与えるため養液を装置内で循環させるので、
大量の水と電力が必要なうえ、どうしても水が蒸発してしまいます。
ところが彼女の装置は蓋が密閉されています。
またわずかな養液をミストにして根に噴霧するので少量ですみ、
ミスト装置以外はポンプもエアレーションも不要なのです。
とはいってもこれはあくまでも仮説でしかありません。
そこで先日、どれぐらい水が蒸発するのか鉢植えや
一般的な水耕栽培装置と植物なしで比較することにしました。
する一番蒸発したのは一般的な水耕栽培装置。次が土。
水耕栽培の10分の1です。いかに土が水を保持しているのが分かります。
さて最後は彼女の装置です。すると300分の1と目を疑う数値。
ほとんど水が蒸発しないのです。また養液の成分変化もありません。
実際に栽培する場合は当然、植物から蒸散されるので
養液の減少はもっと早くなりますが、それにしても脅威の節水能力です。
数年前、月の土1立方メートルあたり水が350mlもあるとの研究報告がありました。
想像以上に多いのでびっくりですが、それでも今までの方法で栽培しようとすると
水はあまりにも少なすぎます。気候変動に対応する目的で考案した超節水栽培ですが
もしかしたら宇宙開発に貢献できる技術になるかもしれない。
視点を変えるとなんだかスマートな最新装置に見えてきました。
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