花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

ル・マン式スタート

2023年05月26日 | 研究
ル・マン24時間耐久レースで有名なのがスタート。
並んだレースカーにドライバーがスタンドから走り乗って
エンジンをかけ、早いもの順にコースに飛び出す独特なスタート方式です。
これはエンジンの始動性や乗り込みやすさも
評価するためだといわれていますが、
みんながスタートしたのにいつまでたっても
動かないレースカーの映像をよくみます。
さてTEAM FLORAは7名のドライバーが所属しているレーシングチーム。
そのうち5名は4月中旬から下旬にかけてスタートしています。
ところが彼は気温が上がらないと実験ができないため、長い間赤ランプ。
待機状態です。しかし先週、かなり出遅れましたが
とうとう6番手として馴化温室内のコースに飛び出していきました。
では7番手はどうしたのでしょう。
実は準備作業に手こずりスタート予定が10日ほどずれ込んでいるのです。
今月下旬にはなんとかスタートしたいと
課題研究ではいつも1人黙々と準備に取り組んでいます。
でも安心してください。最初に飛び出していったレーサーのうち
3名がトラブルに巻き込まれ、ちょくちょくピットインしてくるのです。
理由は装置の故障や気温などのアクシデントによる実験植物の枯死。
植物はさまざまな要素に影響を受けます。あれだけ念入りに計画立てても
室内環境を制御できない実験室では、毎回のように失敗してしまうのです。
でも彼にとってはチャンス。猛烈な追撃が始まりました。
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さがり職人

2023年05月26日 | 研究
2020年、環境班Treasure Huntersは「いにしえの技術」である三和土で
乾燥地の集水と土壌流出を抑制する方法を考案しました。
毎日のように土をこねる彼らはまるで左官屋さん。職人のようでした。
そんな環境班にまた謎の職人が現れました。
彼はいったい何を作っているのでしょう。
これまた企業秘密なのでまだ公開できませんが、
並べているのは乾燥したホウキ草です。
こんな研究をするとは思ってもいなかったのでホウキ草など栽培していません。
そこで市販のホウキを分解して材料を手に入れました。
使用済製品やその部品等を繰り返し使用することをリユースといいますが
このホウキは新品。使用済みではありません。
ということは作り直すということでリメイクなのかもしれません。
作っている物を見て思い出したのは、力士がまわしにつける「さがり」。
暖簾のようなエプロンのような装飾品です。
江戸時代は化粧まわしをして相撲をとっていたようですが
さすがに動きにくいということで簡素化。
諸説ありますが、彼の作品はそのさがりに似ています。
この状態では彼が何をしようとしているか、まったく想像できません。
職人いわく、今月下旬にはお披露目できるそうなので
もうしばらくお待ちくださいとのこと。楽しみに待ちましょう。
今日は課題研究の日ですが、名農生が自分の出身地区に出向いて
花を植える農業クラブ名物行事の地区分会活動のためお休みとなります。
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急げ急げ

2023年05月25日 | 研究
先週の課題研究。6つのサンプルの水質分析、
さらに温室での栽培開始、レタスの収穫など内容は盛りだくさんです。
ところがこの日は短縮授業。いつもより20分も短い活動時間となりました。
でも忙しくなるのはみんなわかっていたので
いつものように授業のチャイムが鳴る15分前には実験室に集合し
テキパキと作業を始めていました。いつもながら感心する新生FLORAです。
さてこの日はもうひとつ急ぐ理由がありました。
それが写真撮影。あるコンクールに応募するには
全員の集合写真が必要とのことで、急遽撮影することになったのです。
もちろんみんなお揃いのTEAM AQUAのTシャツ。
全員でこれを着るのはこれが初めてですが
なぜか連帯感が出てくるのですから不思議なものです。
さあ作業が終わって撮影場所にぞくぞく集まってくるメンバーたち。
あと10分で授業終了のチャイムがなります。
しかし手前の彼は、まだ水質分析が1つ残っています。
でも大丈夫。野球部だけあって
急げ急げの声になんとか滑り込みセーフ。
7人の侍FLORA7が笑顔でファインダーに収まりました。
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天気の子

2023年05月25日 | 研究
こちらはミスト発生装置。
丸い穴の中に振動子が入っていて、
これが小刻みに震えることで水を霧に変えます。
節水栽培に取り組む女子メンバー、共同研究しているJr.も
このような装置を10数台も使って研究に取り組んでいます。
しかしこの装置はちょっと違います。
節水栽培で使っているのは振動子が1個だけの安価で単純な装置。
部品も市販されているので電気に詳しい人は
自作しちゃうそうですが、これはなんと振動子が6つ。6連式です。
こちらは富栄養化池沼の濃縮に挑む男子メンバーのもの。
彼は濃縮させるために6連式のミスト装置を所望しましたが
それだけでは気が済まず、水槽用の小型ポンプを
改造する計画も立てています。
ほとんどのメンバーが研究を開始しましたが、
彼はまだ待機状態。気温が上がらないと実験できないからです。
早く自作の装置を使って実験したいという気持ちでいっぱいの
彼の願いが届いたのか、このところ気温が上昇してきました。
とはいっても気温はまだ不安定。
先日31度を記録したかと思えば、今週は20度前後しかありません。
ツンデレの天気に振り回される彼です。
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二刀流

2023年05月24日 | 研究
これはレタスの苗。まるで温泉にでも入っているかのように
もうもうと装置の中からミストが発生しています。
植え付けてからちょうど1週間。
写真ではよく確認できませんが、真っ白な新しい根が伸び始めました。
これが土のない過酷な環境でも養水分を吸収できる水中根、湿気中根です。
トマトが萎れてしまった記事を紹介しましたが、あのトマトには
この根がまだ生えていなかったので、猛暑にやられてしまったのです。
さて先行研究では水中根より湿気中根の方が小さな根が多くなり
全体のボリウムが増えることがわかっています。
確かに水耕栽培の水中根に比較したら圧倒的な根量となります。
これには理由があると考えられています。
実は水中根より湿気中根の方が吸収能力が低いのです。
そこで湿気中根は根量を増やすことで
吸収量を補おうとしていると考えられています。
また湿気中根を発生させると空気中からも吸収できるため
生育が安定するという研究結果もあります。
FLORAの栽培ではミストを発生させると
このように滴り落ちるほどの水を供給します。
したがってミスト栽培では湿気中根と水中根の2つが
発生していると考えられます。
湿気中根と水中根を備えた二刀流のレタス。
ターボエンジンのようにここから成長が加速されるはずです。
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