花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

あぁ、それなのに

2023年05月24日 | 研究
ご覧ください。先週植えたばかりのミスト栽培トマトの翌日の姿です。
なんと手前の苗がぐったりと萎れているではありませんか。
これを見た主任研究員はショックを受けたはず。
いったいどうしてなのでしょう。実は理由がありました。
このトマトの苗は直前まで土の入ったポットで育っていました。
しかしミストの中で育つには、この根ではなく
水中から養水分を吸収できる水中根や
過湿状態の空気から吸収できる湿気中根が必要です。
これらの根が出てくるには経験で7〜10日ほどかかります。
つまりこのトマトにはまだ水中根も湿気中根もないのです。
それなのにそれなのに、植え付けた翌日が運悪く猛暑。
31度を超える記録的暑さです。水は吸えない、蒸散は激しい。
そのため萎れてしまったのです。こうなるともう手遅れ。
気温が上がることは事前に予想されていたのでトマトには悪いことをしました。
幸い予備のトマトがあるので泣く泣く植え替えていました。
嬉しいことに今後1週間の予報によると気温は高くても20度。
なんとかしおれる前に過酷な環境を乗り越える特殊根を発生させたいものです。
ところで奥のトマトはいたって元気です。
実は奥の方は手前よりミスト発生回数を増やして植え付けた区。
こんな育苗方法が環境に慣れるまでは効果的なことがわかりました。
経験を積む。猛暑でもタダで転ばないFLORAです。
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小さな宝物

2023年05月23日 | 環境システム科
連休前までは毎週のように誰かが水質分析に取り組んでいるため
土肥実験室で活動することが多かったのですが
温室で実験するメンバーがとうとう動き出したので
このところ農場に来る機会がぐんと増えてきました。
すると目に入ってきたのはブルーベリー。
FLORAが除草したり、ピートモスを購入して与えるなどして
可愛がっている大鉢です。先月開花したことは確認していましたが
近寄ってみると小さな果実がついています。
どうやら受粉が成功したようで、これから徐々に肥大しそうです。
さて農場に来る機会が増えたといっても
全員で温室に来たことはまだ一度もありません。
したがってこのブルーベリーの存在を知らないメンバーもいます。
結実したら初夏の味覚を楽しむとともに校内販売もします。
忙しい中にもやりくりすれば時間が作れる日があるはず。
ぜひ大先輩TEAM FLORA PHOTONICSの古戦場である
本拠地の馴化温室を案内したいと思います。
今日は課題研究。今週は学校行事があって1回だけ。それも短縮授業。
たくさんのメンバーがセカンドステージに移ろうとしている
大切な時期なので大変ですが、こればかりは仕方ありません。
乗り切るスケジュールを現在立案中です。
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RED & WHITE

2023年05月23日 | 研究
7名のメンバーのうち、馴化温室を本拠地に活動しているメンバーは現在1名。
これはそんな彼の準備風景です。黒い栽培BOXは彼の自作。
全部で3つありますが、先月2回の課題研究で作り上げています。
しかし4月はまだ気温が低いので栽培できません。
じっと待っていましたが、このところやっと暖かくなってきたので
いよいよ本格的に活動することになりました。
さてここで注目したいのが彼の栽培BOXの中の土。
円筒のものが埋まっています。どうやらここに植え付けるようです。
それにしても円筒の中の土が不思議な色をしているとは思いませんか。
彼が今、筒に入れているのはレンガ色した赤い土。
手前はすでに土が入っていますが、こちらは嘘のように真っ白です。
これだけ見ると常軌を逸した行動。
詳細を紹介したいのですが、ネタバレさせちゃうと彼に叱られてしまうので、
もう説明は少しお待ちになってほしいと思います。
さて赤と白といえばすぐ思い出すのは「白いりんご」。
最後の生活科学科のアップルガールズが開発し、
その後TEAM FLORA PHOTONICSが引き継いだ研究で
おそらくFLORAで1番有名になったプロジェクトだと思われます。
2009年秋に提案した赤と白のリンゴを
祝福のメッセージに使おうという女子らしい提案は
あっという間に日本中を駆け抜けました。
そんなことで赤と白はFLORAにとって縁起のいい色。
彼は熱い温室の中。黙々とこの勝負カラーで夢を追いかけています。
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Recovery project

2023年05月22日 | 研究
FLORA HUNTERSのリカバリープロジェクト。
富栄養化した池沼から栄養分を回収して
農業や緑化に活用しようという環境研究班らしい取り組みです。
最初に手掛けたのは2020年のJr.たち。
さまざまな素材で回収に挑んだところ
無焼成のバーミキュライトが抜群の浄化力を発揮しました。
これにはびっくり。産出業者も驚いていました。
この研究は、まだ途中状態でも続々とコンクールで受賞していきます。
ところがいろいろあってこの研究は2021年秋から休止。
まだ完結していないのに倉庫に眠ることになりました。
それを発見したFLORA HUNTERS AQUAのメンバー。
先輩たちがやり残していた最後の農業利用に挑戦しているというわけです。
これは富栄養化池沼から回収したバーミキュライト。
袋の中に入っています。予備実験では
作物や緑化用樹木の育苗にぴったりなこともわかり期待大です。
先輩の宿題を、後輩が今取り組んでいます。
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女王の歓迎

2023年05月22日 | 環境システム科
環境システム科の草花温室を覗いてみました。
するとペチュニアが温室の主役として大歓迎しています。
秋はシクラメン、冬はサイネリアが温室の主役でしたが
どうやら夏の花に代わっていたようです。
それにしても華やかな色合い。
さすがは「花壇の女王」といわれるだけあります。
さてこの女王。何科に所属しているかわかりますか?
ヒントは星形の花。科は似たような花を持つもののグループなので
星形の花を思い出すと答えがわかります。
そうです。トマト、ジャガイモ、ピーマン、シシトウ、
さらにタバコやホウズキなど有名どころが所属するグループ。
ナスが代表を務めるナス科です。なんだか華やかな女王が、
実は煌びやかな世界とはイメージの違うナス科出身とは驚きです。
でも地味なナス科でもこんなに輝ける力を持っているという証拠。
映画プリティーウーマンのジュリアロバーツのようです。
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