教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

「伝説の勇者の伝説」の伝説

2010-10-14 00:03:07 | オタネタ全般

http://www.denyuden.jp/index2.html



いま「伝説の勇者の伝説」というアニメが放映されている。
ラノベ原作のものである。

さて。
伝説の勇者の伝説。
この名前、実にくどいと思わないだろうか。

英語にすると “the legend of the legendary heroes” となり、輪をかけてさらにくどく見える。
本blog記事タイトルのように ”「伝説の勇者の伝説」の伝説” なんて書くと、伝説という文字がゲシュタルト崩壊するほどくどい。

しかし!

これは「あえて」くどくしたのではなかろうか。



この作品の原作は富士見ファンタジア文庫から刊行されている。
作品をしばらく味わってみるとわかるが、この作品は実に富士見ファンタジア臭い。

というか、往年の富士見ファンタジア臭い。
“〈卵王子〉カイルロッドの苦難” が連載されていたころの、
電撃文庫に追い抜かれる前の、
そのかつてラノベ界において超大国であった頃の富士見ファンタジアの面影が実に色濃く出ているのだ。

まあ当時は世間ではファンタジーがブームみたいなものだった。
雨後のタケノコのごとくファンタジー系のマンガが現れては消えていった。
しかし、それらともまた異なる。
もっと狭い限定的な意味で富士見ファンタジア臭いのだ。

いったい何が富士見ファンタジア臭いかというと・・・
そりゃあもう、ありとあらゆるところが、としか言いようがないくらいだ。
列挙し始めるといくらでも書けそうだったので、めんどくさいから考えるのをやめた。



これは欠点ではない。

わたしは富士見ファンタジア臭さは大好きだ。
変にギャグ調でごまかしたり無理にキャラのテンプレな萌えな仕草でごまかしたりしない、
ベタな王道ファンタジー路線をあえて選択し続ける、
その富士見ファンタジアの持ち味が大好きなのだ。

そう、この「伝説の勇者の伝説」という名前、これはあえてその富士見ファンタジア臭いベタな王道ファンタジー路線に回帰するという意味をこめて、あえてくどくしたのではなかろうかと思うのだ。



原点回帰。
この作品を評するにはそれが最も良く似合う。

とはいえ。
単におっさん共の懐古趣味をくすぐるためのものでもない。
単にベタでコテコテなだけでもない。

王道として文句もつけられないほど完成度が高い。
1発ネタのアイデア勝負が不可能な故に、よほど力量がなければそんなものは書けはしないに違いない。

この作品は生まれるのが20年遅かった。
20年早ければ、当時の代表的な作品として伝説になっていたかもしれなかった。
しかし20年遅かった現代においてさえ、その作品の出来映えは高く評価されている。

「伝説の勇者の伝説」は当時の伝説を肌で知っているものにとって奇跡のような存在かもしれない。
いまそう思いながらアニメを楽しんでいる。