教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

ストライカーユニットの設計思想 (下巻)

2009-08-04 00:00:11 | オタネタ全般
(・・・前回からのつづき)



実は片足づつ装備したことには思いのほかメリットがある。

航空戦では敵を後ろから狙い打つほうが有利だ。
誰もが敵を前に出そうとする。
だが単にエンジン出力をさげて減速するのでは推力が下がるのでリカバリできなくなる。
エンジン出力やプロペラの回転数は、いったん下げたら元通りまで上げるのに時間がかかるのだ。
戦闘機の格闘戦において、速度を上げるのに時間がかかるというのは命にかかわる問題である。
だからなんとかして推力を下げずに減速させる方法が必要だ。

戦闘機では、たとえばシザーズのような蛇行運転をすることで推力を下げずに減速させることができなくもない。
だが、キホン的に苦肉の策であり、そういう方法をとらないで減速できるならそれにこしたことはない。
実はストライカーユニットではそれがカンタンにできるのだ。

増速したいときには足を閉じギミにし、推力を下げずに減速したいときには足を開けばいい。
そうすれば、右足の推力は左へ向かおうという動力に使われ、左足の推力は右へ向かおうという動力に使われ、トータルでは推力が発生しないように見える使い方ができる。
足を閉じギミにすればトータルの推力は即元通りになる。
それはカンタンに減速でき、カンタンに減速からリカバリできることを意味する。
しかも蛇行や回転もすることなく、任意の起動で、やろうと思えば直線上でもそれをやってのけることができる。
戦闘機の格闘戦においては極めて有利だ。

アニメでも、よくよく見ると上昇から下降に切り替えるときなんか、いったん足を開いて減速するようなシーンもあり、有効に実践で機能していることがわかる。



しかし、片足づつ装備したことにもデメリットがある。

ストライカーユニットでは右足と左足のプロペラを逆向きに回転させて本体側が回転するのを防止している。
それは良いことだ。
だが片足づつのユニット単体には回転させようとする力が働く。
どこでそれを支えるかってえと、人間の足でその力に抗するしかない。

もう1つある。
ストライカーユニットのプロペラは非常に小さい。
空気ではとても人が浮くほどの推力など得られないほど小さい。
きっとバリオンとほとんど相互作用しないような、かつ空気よりも密度(?)がはるかに濃いような未知の粒子を攪拌することのできる極めて高性能なプロペラなのだろう。
だからこそ両足で1機づつ装備でるほど小型になった。

しかしプロペラのサイズは両足を閉じてもあたらないほど小さくはない。
だから最大出力時にも足は少し開いていなければならない。
起動中は常に足を閉じようとする方向に働く推力に打ち勝ってユニットを支え続けなければならない。
これも同様に足の負担になる。
それに足を閉じようとする方向に働く推力は前進するための推力には使われないのでいくらかのムダが生じる。

仮に足と足は20度まで狭めてもいいとすれば、足を閉じようとする方向に働く推力は全推力の17%、足を閉じたときを基準とした前進するための推力のムダ分は1.5%となる。
このオーダーは大きすぎるのかどうかまでは何ともいえない。
もしこれをヒザでささえなければならないとすると、ヒザの負担はかなり大きいだろう。
そういう意味ではヒザまでユニットに入るというストライカーユニットの設計思想は正しい。
しかし足の筋力をかなり要求するのは間違いないだろう。

一般人が使おうとするならば、重火器をぶっぱなしたら反動でひっくり返り最悪の場合は墜落するし、推力が強すぎて足で支えられなくなり左右のプロペラが干渉して最悪の場合破壊される。
あまりにも危険すぎるので、わたしだったらストライカーユニットで空を飛んで戦ってみたいとは到底思わない。



しかし!

ストライカーユニットを装備すると魔力が増強される。
それにより、かなりの重火器をほとんど無反動に近い状態で扱えるほど筋力が強化される。
ならば足への負担はかなり強くても問題ないのかもしれない。
魔女ならばストライカーユニットのもつ本質的なデメリットのほとんどを克服できる。

だからこそ、ストライカーユニットは魔女の兵隊さん(ストライクウィッチーズ)でなければ使いこなすことができないのだ!

ストライカーユニットの設計思想 (上巻)

2009-08-03 00:01:51 | オタネタ全般
GONZO最大のヒット作アニメ「ストライクウィッチーズ」。
この作品は「メカと美少女」ならぬ「メカ少女」のハシりみたいな作品である。

この作品は「少女」を抜いては語れないが、また同時に「メカ」を抜いても語れはしないない。
とりあえず今回の記事は「メカ」のほうについて書いてみようかと思う。
なんで少女のほうじゃないかってぇと、まあ気が向いたのがメカのほうだったから・・・としか言いようがないけどね。



さて、そのメカたるストライカーユニット。
こいつは2本1ペアのユニットを両足それぞれに履いて空を飛ぶものだ。

なんでこんな構造になっているのだろうか?

ふつうに戦闘機の代替として考えるなら、ふつうの戦闘機のように1つの動力で全体を駆動したほうが素直な構造のように思う。
なんでそうなっていないのだろうか?

1つの動力で全体を駆動した場合どうなるかをまず考えてみる。

ストライカーユニットを稼動させているとき、プロペラが回転することで推力を得る。
正確にはプロペラではないという話もあるが、まあ少なくとも回転式の推進装置であるのは間違いないだろう。
これは扇風機よろしく羽で推力を得る方式だ。

しかし!

この構造にはやっかいな問題がある。
プロペラを回すと、回す本体側がプロペラとは反対方向に回ろうとしてしまうのだ。
このままでは本体がクルクル回ってしまい使い物にならない。

ふつうはどうやるのか?

たとえばレシプロ戦闘機。
仮に右に回転しようとしてしまうのであれば、最初っから左回転しようとするように翼をずらして調整しておけば良い。
そうすれば、とりあえず特定の条件下でだけだがバランスがとれる。

しかしストライカーユニットには使い辛い。
回転しようとする力とバランスするだけの揚力を生む大きな翼をつけなければならない。
大きな翼が必須とすると、あのコンパクトで旋回性能に優れたストライカーユニットのメリットが損なわれる。
なおかつ特定の条件下でだけでしかバランスがとれないために操縦が難しくなるから、別の方法で何とかなるならそれにこしたことはない。

右回転するプロペラと左回転するプロペラとを2個直列に並べて使うという手もある。
こういうのを2重反転プロペラという。
だが、構造がかなり複雑になったりムダに圧力損失が発生したりと、それはそれで問題がある。
1944年のレベルでも2重反転プロペラはなんとか作れたはずだが、そもそも軍用の量産に使えたレベルにあったのかどうかは甚だ疑問だ。

ヘリコプターでは別の解決方法をとっている。
回転しようとする力が発生してしまうなら、その回転しようとする力と同じだけの力を横向きにつけた別のプロペラで打ち消してやればいいという方法である。
だからヘリコプターの後ろには小さいプロペラが横向きについている。

しかしこれは戦闘機を代替しようというような高速飛行を前提にしたものでは使いにくい。
だからストライカーユニットには採用できない。

ではどうすれば良いか?

案外カンタンな方法がある。
左右で2個使えば良い。
それぞれを反対側に回せば、回転しようとする力がキャンセルされて非常に使い勝手が良くなる。
劇中でも左右はちゃんと反対に回転しているように描かれている。

そんなカンタンな方法で良いのか?
なぜレシプロ戦闘機ではその方法を取らなかったのか?

カンタンだ。
エンジンとプロペラが2ついるからだ。
前方投影面積が増えるので空気抵抗が増えるし、動力を2つに分けざるを得ないので単位重量あたりの出力も低下する。
だから木の葉のように舞うドッグファイトをするための戦闘機には使われない。
まあ、重量物を運ぶための爆撃機なんかはハイパワーなエンジンがいるので、めんどうだから既存のエンジンを2つ使って所望の出力を確保するというようなやり方をとることもよくある。(めんどうだからってだけじゃないけど)

ストライカーユニットではその問題は起きなかったのか?

あんがい問題にならないかもしれない。
そもそも人間の足は最初っから2本あるので、あんがい空気抵抗は増えないかもしれない。
それに作中でもストライカーユニットの運動性能が不足しているような描かれかたはされていないので、単位重量あたりの出力低下があっても実用上気になるほど出力は不足していないのかもしれない。



実は片足づつ装備したことには思いのほかメリットがある。



(次回へつづく・・・)

お台場ガンダムを見てきた

2009-08-02 00:04:47 | オタネタ全般
今日はお台場ガンダムを見てきた。

http://2channel2.blog32.fc2.com/blog-entry-436.html

ようは↑これでも紹介されている例のヤツだ。

とあるダチといっしょに行ってきたわけだが、その男はわたしと同じく技術屋であり、なおかつわたしなど足元にも及ばないガンダムヲタでもある。
あのデカいガンダムを近くで見ていると、そんな野郎が集まるとどうやったってガンダム技術論になるわけで、

「あの胸のフィンは中の原子炉を強制空冷させるためのモノかな?」
「そりゃ当然でしょ」
「しかし宇宙空間ではそれじゃ冷やせないよな」
「むう、宇宙空間で冷やすとしたら放射冷却で冷やすしかないな」
「たとえばどうやって?」
「たとえば外装の板金を数百度くらいの高温にすれば、かなり放射損が発生するから、それなら何とか冷えるかもしれん・・・」
「だとしたら輻射が最大になるように黒く塗るべきで、そういう意味ではガンダムが白く塗装されているのは都合が悪い」
「ガンダム世界はミノフスキー粒子の発明により有視界戦闘に切り替わったわけだから、黒く塗ると作戦に支障が出るかもしれんな」
「恐らく可視光では白く見えるけど波長の長い領域では輻射が大きくなるような、そういう波長選択性のある塗料を使っているのかもしれん」
(以下略)

というようなアホな話を延々としてきた。



ガンダムも写真で見るのと現物を見るのではスゴさが全然違う。
圧倒的なスケール感は現物を見なければ伝わらないだろう。

あのガンダムも良くできてるんだよな~。
単なる板金の切ったはったならカンタンだろう。
けど、ちゃんとホンモノらしさを出すために、ふくらはぎのパーツなんかも板金を叩いて伸ばして絶妙に曲げ加工を施してあった。
それに足首の関節の中を覗き見てみたが、だれもそんなところ見もしないのにそれなりにリアルに関節メカっぽく作ってあった。

なかなかのこだわりようである。
単なるハリボテ風には感じられない。
こりゃー作るの大変だったろうという感じをすごく受けた。
作るヤツもガンダム好きじゃないと、絶対あんなのは作れないね。



漢なら、いまだ熱き血潮のたぎる魂を宿す漢なら、決してガンダムに会いに行くのはムダにはならない。

さあ、あなたの忘れていた何かを取り戻すために、皆でお台場へ訪れようではないか!



追伸:

気がついたらサンライズはバンダイナムコホールディングスの参加になっていた。

http://www.bandainamco.co.jp/ir/result/pdf/20090508_1.pdf
↑このバンナムの決算短信にも子会社扱いが明記されているし、

http://www.bandainamco.co.jp/ir/presentation/pdf/20090520_2.pdf
↑このバンナムのプレゼン資料にも等身大ガンダム写真が使われている。

サンライズは資本金49百万円となっていて、有名なわりには額が意外に小さい。

ルナティックドーンIIと管理職

2009-08-01 00:00:48 | オタネタ全般
ルナティックドーンIIは、とりあえず仲間を集めて欲望の赴くままに気の向くままにダンジョンを旅するRPGである。

とうぜんながら仲間は多ければ多いほどパーティーは強力になる。
しかし、仲間は多ければ多いほど1人あたりの分け前は減る。
仲間が6人もいると、ランニングコストだけでけっこう苦しくなる。

分け前を増やすにはどうすれば良いか?

自分が強くなって仲間に頼らなければいい。

・・・そんなことはタダの理想論だ!

ではどうすれば?

カンタンなことだ。
必要のないヤツから順に減らしていけばいい。

では、いらないヤツとはだれか?

ドラゴンが巣くう強力なダンジョンにまでいっしょに潜れ、そして共に生きて帰れる屈強な戦士。
これは絶対に必要だ。
願わくば少々の魔法まで使えれば言うことない。
そして、こういった戦士系の前衛は3人パーティーであっても2人はいる。

回復魔法が使える僧侶。
これも絶対に必要だ。
ついでに言うと、回復魔法の使い手は1人ではなく2人いるとかなり頼もしい。

攻撃魔法が使える魔法使い。
魔法使いがいなければ恐ろしく苦戦したりそもそも倒せなかったりするモンスターは多い。
ダンジョンで敵や宝をみつけるのに便利な魔法の数々も用意されている。
絶対に必要というほどでもないが、有用性は非常に高い。

盗賊。
これも絶対に必要だ。
なぜなら、盗賊がいないと扉も開けられないからダンジョンに潜っても先に進めないからだ。

さて、人数を数えてみよう。
[戦士 + 戦士 + 僧侶 + 僧侶 + 魔法使い + 盗賊]
すでに定員6人に達している。
これじゃー、プレイ開始直後のひ弱なプレーヤーの割り込むスキマがない。
プレーヤーそのものがいちばんいらないヤツだったという・・・。

これじゃーダメじゃん!

この問題を解くヒントは、プレーヤーのキャラをどう鍛えるかの戦略に強く関係する。

先の6人メンバーをよく見てみよう。
いちばん戦闘にいらないヤツはだれだろうか?
いうまでもなく盗賊である。
ただ鍵をあけるだけの要員であり、戦闘にはほとんど役にたたないからだ。

ダンジョンに潜るのに、かならずしも盗賊技能が高い必要はない。
多少トラップにひっかかってもガマンできるし、何度も失敗してもいいから扉は開きさえすれば良いからだ。
だから、最初のうちのひ弱な主人公はこの盗賊の役割に徹することにして、その技能を少しばかり鍛えておく戦略が望ましい。

その次のプランも記そう。
6人に近いパーティーのなかで僧侶が1人しかいないと心もとないが、そもそも2人いるのも過剰感がある。
主人公に少々の回復魔法の心得があるとかなり安心できる。
だから、そのつぎには回復魔法系の技能を少しづつ鍛えていけばいい。
すぐに2人目の僧侶は必要なくなる。

そうするとどうなるか?
[戦士 + 戦士 + 僧侶 + 魔法使い + その他(主人公)]
まだ多いが、まあこれなら何とかなる。
主人公は戦いが始まっても後ろのほうで逃げ回っていればいい。
みんなが何とかしてくれるだろう。

この先はどうするか?
先の編成のなかから、戦士か魔法使いのどちらかを引き算することになる。
どちらを引き算すればいいかというと、言う事を聞かせにくく、ときどきしか役に立たない魔法使いを引き算するほうがやりやすい。
キホン的には戦士はほっといても敵を殲滅してくれるから、仲間もろとも敵に攻撃魔法を浴びせるような魔法使いにさっさと退場願おう。

プレーヤーは敵の魔力を吸収できる魔法を憶え、戦闘時にはひっきりなしに魔力をかき集めていれば、とりあえず回復魔法にはことかかなくなる。
広範囲に敵を攻撃する魔法を憶えれば、仲間が呪文攻撃を食らわないように自分で投下地点をコントロールすることができるから、かなりパーティー全体が強くなる。
ダンジョン内を索敵できる呪文を憶えるのもかなり役に立つ。
しかし、そんなに気合いを入れて魔法使いスペシャリストになるまで鍛える必要はない。

その結果、パーティーは次のようになる。
[戦士 + 戦士 + 僧侶 + その他(主人公)]
だいぶ減った。
主人公は盗賊技能は最小限しか持っておらず、前衛の武器で戦う要員しての能力もなく、回復魔法も少しは使えるがさほど強力ではないので僧侶1人分にはならず、かといって魔法使いの技能もそんなに高いとは言いがたい・・・、そんな中途半端な役割になる。
しかし、序盤はそれを目指すのがベストなのだと、わたしはそう思う。
(このあと僧侶の分か戦士の分かどちらかを強力に鍛え上げれば、あと1人は外せる。3人で何とかなるまでになれば3人というのはかなりバランスが良いので、それなりに長く付き合えるパーティーになる。)

考えてみれば、実はこれは管理職なのではなかろうか?

主人公は、どのダンジョンに潜ろうか、どの依頼を受けようか、どの街へ行こうか、といった作戦立案を担当する。
だが、序盤では自分の回りにいるパーティーのメンバーは主人公より遥かに強靭な冒険者だ。
主人公なんて歯がたたない。
というか、主人公がいちばんいらないヤツだったということになる。
だからはじめに主人公に必要なのは、けっして戦闘要員としての武力的な能力などではなく、パーティーの運用能力なのだ。

これは現実の管理職にもそれなりに当てはまる。
管理職になったものは実作業にはだんだん従事しなくなっていくので、シゴトの能力的にはだんだん中堅クラスの平社員にもとる人になっていく。
だが、メンバー全員の話がわかるだけの広く浅い知識は持っていなければならないし、なによりシゴトの能力というよりはシゴトをさせるヤツらの舵取り能力を問われる。
そしてメンバー全員の能力が非常に高いときにはそいつらには本職を優先させてやり、雑用は管理職の自分がやったほうがチーム全体のパフォーマンスが上がる。
シゴトの能力として尊敬されず、舵取り能力も低く、かといって雑用もやらず部下に押し付ける、そんな管理職はメンバーから陰でお荷物扱いされる運命にある。

なんだかこういうのはルナティックドーンの主人公ソックリじゃないかい?

ドラクエにしても何にしても、パーティー指揮官というのは多少呪文が使える戦士というような、どちらかというと先頭に立って戦う戦闘要員のような役割として描かれることが多い。
しかし現実のパーティー指揮官というのは、そんなのよりもパーティーの舵取り能力のほうが問われるのではあるまいか。

わたしはルナティックドーンをやってみて、初めてそのことに気付いた次第である。