笑顔浴

優しい時間

リレー小説

2013年08月09日 | Weblog

 若者サポートステーションで、「リレー小説」ワークを担当した。

文字を読めない、または 文字が書けない

といった学習障害を持つ人の参加の有無を、当日も確認できないままだったけど

Mさんと二人だから、何とかなるだろうと心配しないことにした。

ねらいは、他者理解と 相手の気持ちをくむこと。

 

はじめに小説家という職業があって

私たちを癒したり、勇気付けたり、愉しませたり、感動させることができると紹介した。

6月末で募集締め切りになったけど、毎年坊ちゃん文学賞に4月から応募できること

県内には、ノーベル文学賞作家がいらっしゃること。

今日は、小説家の卵になって取り組んでほしいと告げた。

 

起承転結の例として蜘蛛の糸の話をした。

起:  ある男が、地獄で苦しんでいた
    自分は悪党だが、良いこともしたから、助けてくれ。

承:  それを聞いたお釈迦様が、蜘蛛の糸を天国から垂らした

転:  喜んで蜘蛛の糸をつたって天国へ登る男、
    下をみると たくさんの悪党も、登ってくるではないか。
    やめろ!糸がきれるじゃないか、これは俺だけの糸だ!

結: その怒鳴り声とともに、ぷつんと糸はきれた

 

一つの物語を、4人に分担してもらった。4人は円陣を組んで座った。


まず、起を書く。

書き出しは、「平成25年、私 麦子(麦男) 18歳」。

場所は、砂漠にいても、アメリカの大学にいても、南の島にいてもOKだ。

登場人物や出来事も自由でいい。

でも、主人公をすぐに殺すのはやめてほしいとお願いした。

 

「起」がかけたら、作品への希望も書いてもらった。

*恋愛小説にしてください

*現実に起こらないミステリーにしてください

*苦労を乗り越えて成長する物語に

*徹底的にセミと戦う展開(手段はとわない)

*最後に親子が互いを理解する・・・・

などなど、それぞれの想いをどう受け継ぐのか、わくわくする。 

そして、右隣の人に託す。

 

「キャッチボールは、してほしい」と希望を書いた若者の「起」には

---久しぶりに「キャッチボールをしよう」と中学の友人に電話をかけた。---とあった。

それを受けて、右隣の人の「承」のストーリーは、

---「いいよ、久しぶりにやろう!」と、喜んで公園で逢うことになった。

そのとき、今の友人からも遊ぼうと連絡が入った。----

その右隣の人の「転」は。。。

----どちらかを選べないので、二人に事情を話したら、

三人でキャッチボールすることになった。緊張したが楽しく遊べた-----

そして、「結」を書く人へバインダーが回されると

---三人は嬉しくて、互いの話をして仲良くなった。友達の輪が広がった----

と結んであった。

 

いつもは、一人で過ごすことの多い参加者の

夢や希望があふれてくる気がする。

出来上がった、作品に、「キャッチボール」とタイトルをつけた彼は

自分の想像以上に気持ちがよい作品になっていた、と感謝していた。

小説の中では、はっぴぃえんどになれる。

参加者の優しさにジーンとした。

 

1コマ5分間の創作だが、かなり疲れたと思う。

なにしろ、自分の「起」を書いたら、チームの3人の続きを書かねばならない。

つまり、隣の人のミステリー系の「承」を考えて書いて回し

次には、ラブストーリーのクライマックス「転」を書かねばならない

そして、ドライブ旅行記のまとめの「結」を書く

そのたびに頭を切り替えて、ストーリーを考えなくてはならないのだから大変だ。

案の定、

すごく疲れた! でも面白かった!と感想をもらった。

 

ちなみに、私が気になったセミバトルの

仕上がった作品タイトルは「本当の敵」。

怒りに任せてセミを攻撃し、居場所をことごとく奪い、

セミを虫かごに詰めて、山に捨てにいくのだが、

そこで、私は自然の中で自分の傲慢さに気づき、

虫と人の棲み分けが虚しいと感じるという

思いがけない終結でした。

 

全部をご紹介できないのが残念です。

 


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