第一の問題。
藤沼ダム(福島県須賀川市)の決壊については、新聞・テレビから、問題があまりに小さくとらえられている。
「地震によるダムの決壊は日本で初めて・・・」などの報道も眼にしたが、はたしてそうだろうか?
あたかも、今回のダム決壊は「想定外」かのような見方である。原発と同じく。
自分はそうは思わない。
現地に行って、なおのこと確信した。
大地震、あるいは直下型地震がくれば、ダムは決壊の危険がある、こう想定すべきなのだ。「決壊しないでほしい」という願いを、「決壊するはずがない」という想定に変えてはならない。
第二の問題。
ダムの決壊は他所の問題ではない。
藤沼ダムのように、農業用の灌漑ダムというのは全国いたるところにある。
戦後の食糧増産の掛け声とともに、灌漑用のダムが、いわば手づくりで、厳密な安全対策も立てられないままに、全国に造られていったのではなかったか。
さらに、近くで言えば、山形県の寒河江ダム、貯水量1億500万トン(藤沼ダム150万トンの70倍)、これだって、どれほどの地震に耐えられるのか。大いに疑問だ。
あの原発も「絶対安全」だったはずだ。
みなさんに提案です。
自分のところのダムは大丈夫か? 自分の足と眼で、みんながチェックしようではありませんか。
以下は、3.11大地震で決壊した藤沼ダムの写真です。
決壊して水が無くなり、雑草の原となった藤沼ダム。
ダムの護岸が地震で崩れた。
危うく決壊しかかった護岸。車道はダム側に崩れ落ち、残った土手は70センチ程度の厚さだった。反対側で決壊したために決壊を免れたと思われる。
決壊現場。地震でダムの護岸が崩落し、そこへ150万トンの水圧がかかり決壊したのでは?
スギの森を濁流がなぎ倒して駆け下った!
濁流はここから!
下の村は、突然の猛烈な「津波」(地元の生き残った人の話)に襲われ、家々が流され、8人の生命が奪われた。