昨年末、久しぶりに尾上の大村さんと会った。
急な用船で船を出してもらったが、相変わらず頼りがいのある人だ。
何も言わないで来てくれた。
こんな職人のような人が、びわ湖では少なくなってきた。
みんな年を取り、引退していく。
大村さんの船も動かなくなったらしい。
古い友人たちも現役を退き、舞台から去っていく。
何となくさびしさを感じるこの頃だ。
一かは自分も本当の意味で引退するのだろうが、それまでにやりたいことがある。
次第に厳しさを増す地球環境の変化から、少しでも生き残れる手立てを次世代に残したいと思う。
相手は巨大であるから、できることは限られているが、何もしないよりは良いだろう。
知恵であったり、技術であったり、宗教であったり、いろいろなことを挑戦しながら人類は生き残ってきた。
しかし永遠ではないのだろう。
体に病気を抱えながら、電話一本で駆けつけてくれる大村さんに、心から感謝している。
自分は彼に何がをしてきたか。
何か貢献できたのか。
安心とは、信頼であり、そこには余計なおしゃべりはいらない気がする。
湖や沿岸の深い場所で、水に溶けている酸素濃度が低下してきている。
陸域から流れ込む栄養塩の増加による富営養化という現象で水中の有機物が増え、底にたまって分解することで、酸素が消費されるのだ。
一方、地球温暖化の影響も無視できない。
水の循環が弱体化し、十分な酸素供給が途絶えているのだ。
たとえば、日本海ではあと300年で海底の溶存酸素濃度がゼロとなると言われている。
琵琶湖の場合は、もう少し早いかもしれない。
酸素濃度を回復させるために、WE法を考えた。
水を酸素と水素に分解してそれぞれに有効利用しようというものだ。
2005年から3年間、琵琶湖で試験を行い、有効であることを示した。
その後、信州大学と東京大学で継続されている。
陽極に安価な鉄を用いると、水中の重金属を吸着することができるらしい。
重金属が鉄と結合して安定な化合物となる。
アオコの増殖も抑制できるようだ。
汚染状況がひどい中国の湖沼で使えるかもしれない。
加える電圧をうまく制御すれば、結構使える技術となってきた。
さらに2015年にはホンダが燃料電池車を販売するようだから、水素の使い道も出てくるかもしれない。
水素と酸素から水を作りながら走る車は、人類の理想でもある。
水をめぐる新しい技術の開発が、社会のシステムを根本から変えていく時代も近いのかもしれない。
そういえば、地衡流を使った発電も試してみたいものだ。
こうして夢は限りなく広がる。
世界中でヒトデが死んでいるようだ。
まずイギリスで。。。
英国ノーフォークのホルクハム・ビーチで、400メートルあまりの海岸を覆いつくすように、ヒトデが大量に死んでいるのが発見された。
その数は数万匹に上るという。
地元のヘンスタントン海洋生命保護区の専門家は、ヒトデの大群が座礁したと指摘。
「このようなケースは1年か2年に1回、通常、11月から3月の間に発生する。この時期の潮は非常に激しいからだ」と説明した。
ヒトデは、海岸の浅瀬から深さ数千メートルの深海まで生息する。
次には、アメリカで。
米西海岸ではここ数か月、原因不明のままヒトデが大量死している。
ヒトデは海洋生態系保護のカギを握るものだとして、生物学者たちは懸念を深めている。
研究者らがヒトデの大量死に気付いたのは、昨年6月。米地質調査所(US Geological Survey、USGS)・国立野生動物保護センター(National Wildlife Health Center)のジョナサン・スリーマン(Jonathan Sleeman)所長によると、「野生のものから飼育されているものまで、さまざまな種類のヒトデが死んでいる」という。
同年12月にこのセンターが発表した声明によれば、死んだ個体数が最も多いのはムラサキヒトデ(学名:Pisaster ochraceus)とヒマワリヒトデ(学名:Pycnopodia helianthoides)。
ヒマワリヒトデは世界最大級のヒトデとされており、幅1メートルを超えるものもある。
死んだヒトデに最もよく見られる症状は、腕にできる白色病変だ。
感染が原因とみられており、病変が急速に広がって腕が切断され、その数日後には死んでしまう。
米ワシントン(Washington)州のピュージェット湾(Puget Sound)やカリフォルニア(California)州沿岸、カナダ・ブリティッシュコロンビア(British Columbia)州のサリッシュ海岸(Salish Sea)では、一帯に生息していた個体が全て死んでしまったとみられ、感染後の致死率は約95%に達するという。
過去数十年にわたりこれら各地の生態系を調査してきた研究者らも、感染の原因をまだ特定できていない。
米カリフォルニア大学サンタクルーズ校(University of California, Santa Cruz)の生態学・進化生物学部長、ピート・ライモンディ(Pete Raimondi)教授はAFPの取材に対し、現在こうしたヒトデの大量死の原因として研究者らが考えているのは、寄生生物やウイルス、細菌などの病原菌だと説明している。
これらがヒトデに感染し、何らかの形で免疫系に危険を及ぼしているのではないかという。
免疫系が弱ったヒトデはさらに細菌に感染しやすくなり、「二次感染」が起こる。
それが、現在の状況を引き起こしている主な原因ではないかとみられている。
台風2号が発生したらしい。
すでにフィリッピンを過ぎて、ベトナムからタイへと向かっている。
1月中に2号ということだから、今年は少し多いのかもしれない。
この地域の海面水温が高いのが原因だろう。
そう言えば、タイでは深刻な紛争が続いている。
利害が絡む抗争だけに、両者だけの話し合いでは解決しないと思われる。
第三者によるなんらかの調停が必要かもしれない。
今後の大きな火種にならなければよいのだが。
地震に火山噴火に台風といった自然災害の上に、人間の利害に絡む紛争など、アジアは辛いことが多すぎる。
今から5500万年前、始新世(Eocene:約5580万年前~3390万年前)の初めには地球上の大気に2テラトン(2兆トン)の二酸化炭素が放出されたと言われている。
原因としては、底層水温の上昇、海底の地すべり、マグマの貫入による海底のメタンハイドレードの分解によるメタンガスの増加や(メタンハイドレード仮説、Dickens et al.1995)、火成活動の活発化による温室効果の影響(Owen and Rea 1985)などがあげられている。
これによって温帯から寒帯にかけて約8℃気温が上昇し、熱帯における気温上昇は約5℃であった。
そして生物生産や海洋湧昇が元のレベルに戻るのに20万年の歳月を必要とした。
(ただし松岡ほか(2006)によると、生物生産や海洋湧昇が回復するのに10万年程度かかるが、炭素同位体比が元のレベルに戻るのに20万年以上かかるようである)
一方、20世紀から21世紀にかけて、始新世のほぼ半分にあたる1テラトンの二酸化炭素が大気中に放出されている。
両者の違いは、5500万年前には約1万年かけて徐々に放出された二酸化炭素が、現在ではわずか200年でこの数値に達したことである。
このような短い時間内での変化が、特に地球上の水圏生態系に与える影響は大きい。
なぜなら、陸上生物に比較して、水中の多くの生物(特に貝類)は環境変化に適応するのに時間がかかるからである。
また、5500万年前の太陽は0.5%ほど温度が低かった(Sagan and Mullen 1972)。
そして、この時代には農業はおこなわれていなかったので、自然植生が人為的な制約なしに気候に適合することができた。
現在の大気にはエアロゾルが含まれており太陽光を反射したり雲によって吸収したりしているので、気温を2℃から3℃を下げる役割を果たしている。
大気からの除去速度は、エアロゾルで数週間なのに対して二酸化炭素は50年から100年かかるので、急激に化石燃料の燃焼を抑制しても気温上昇を招く可能性を指摘している。
一方で、現在の急激な気温上昇は、地球上の動植物が好適に生存する環境を消失させ、2050年までに15%から37%の生物が絶滅する可能性もある(Thomas et al., 2004)。