五作目の「破門」で2014年上半期の直木賞を受賞した「疫病神(その記事を参照してください)」シリーズの第四作です。
カタギの主人公と極道の相棒が、掛け合い漫才のようにして暴れまわる作品の、今回の舞台は東京です。
シリーズ物はどれもマンネリしてくるものですが、このシリーズは構造的な欠陥を持っているので、特に厳しいようです。
このシリーズは、17年間に5作書かれているのですが、作品内の世界では、一作ごとに一年ぐらいしかたっていません。
そのため、作品世界と作者が書いている実時間がだんだんかい離れていき、四作目のこの作品ではそれがかなり顕著になっています。
一方で、このシリーズは時間が先に進まない遍歴物語でなく、一作で登場人物が一歳ずつ年を取っていく成長物語なわけで、そのあたりの矛盾(特に若い登場人物において)が出てきています。
児童文学の世界でもシリーズ物はたくさん書かれていますが、遍歴物語(例えば那須正幹の「ズッコケ」シリーズなど)や成長物語(松谷みよ子の「ちいさいモモちゃん」シリーズなど)の間で作者たちは試行錯誤しています。
カタギの主人公と極道の相棒が、掛け合い漫才のようにして暴れまわる作品の、今回の舞台は東京です。
シリーズ物はどれもマンネリしてくるものですが、このシリーズは構造的な欠陥を持っているので、特に厳しいようです。
このシリーズは、17年間に5作書かれているのですが、作品内の世界では、一作ごとに一年ぐらいしかたっていません。
そのため、作品世界と作者が書いている実時間がだんだんかい離れていき、四作目のこの作品ではそれがかなり顕著になっています。
一方で、このシリーズは時間が先に進まない遍歴物語でなく、一作で登場人物が一歳ずつ年を取っていく成長物語なわけで、そのあたりの矛盾(特に若い登場人物において)が出てきています。
児童文学の世界でもシリーズ物はたくさん書かれていますが、遍歴物語(例えば那須正幹の「ズッコケ」シリーズなど)や成長物語(松谷みよ子の「ちいさいモモちゃん」シリーズなど)の間で作者たちは試行錯誤しています。
![]() | 螻蛄(けら)―シリーズ疫病神 (新潮文庫) |
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